第25話:清水と同居と薫子の手料理

文字数 1,661文字

「すると、思わず、薫子が、ふいた」
「あんなに、ぶっきらぼうだった清水君が、そんな事と言うなんてと笑った」
「さぞかし、多くの女性と浮名を流したのねと、意地悪そうに笑った」
「そんな事ないよ、自分が好きだから、こうして飲むだけさと語った」
「旨い珈琲にも、ブランデー入れると美味しくなると説明した」

「すると、笑い、やっぱり変わってないね、直ぐに熱く語り出す所はと言った」
 清水が、人間は、そんなに変われるもんじゃないよと言い笑った」
「でも不思議だね、あれから50年以上たって、こうして再会して、同じ部屋で、紅茶を飲んでるのだから人生も捨てたものじゃないねとつぶやいた」

「すると薫子が、抱き付いてきた」
「そして頬を伝わる涙が、清水の腕に落ちた」
「薫子が、うれしい、逃したチャンスが、また巡ってくるのだからと言った」
「長い間、抱き付いて、長旅で疲れたろうと言い、大きなベッドだから、一緒に昼寝しようかと言うと、薫子が、うなずいた」

「そして、セミダブルのベッドに入ると、薫子が清水の背中に抱き付いた」
「薫子は、やせ型で小ぶりの乳房が、清水の背中に吸い付くようだった」
「薫子の寝息がして来て、それを聞きながら清水も眠りに落ちた」
「どの位しただろうか、ふと、清水が目を覚ますと、薫子は、既に起きていて、紅茶の食器を洗っていた」

 洗濯機、使っても良いと聞くと自由に使ってと言い清水の下着、肌着、タオル、薫子の物も全部、洗い出した。
「今日は、久しぶりに、薫子の料理が食べたいなと言うと、良いわよと言うので少ししたら、買い出しに行こうと言うとわかったと薫子が答えた」。

 1時間足らずで、洗濯し干し終えた。その後、マンションの前の停留所からバスに乗って、ランドマークタワー近くの店に、買い出しに行くと、魚屋もあると言い、清水が薫子を連れて行った。
「薫子が、良い魚売ってると言いカレイの煮付けでも良いと言い見て回ると型の良い、カレイが売っていた」

 それを見て、良さそうだけど高いねと笑った。気にするな、ここらは、物価が高いのさと言うと、カレイを2枚買った。その後、白菜、キャベツ、きのこ、肉、卵、パンなどを買い込んだ。荷物が重くなったので、みなとみらいの大通りでタクシーを広い、10分でマンションに帰った。

 そして、薫子が、カレイの煮付けと、味噌汁と作るわよと言い、買ってきて調味料を使い料理を初めて30分程で料理が完成。煮付けの良い香りがして、ビールで乾杯して、炊きたての御飯とカレイの煮付けを食べた。
「すると旨い、さすがと薫子をほめると、たいしたことないわよと笑った」
「一緒に風呂に入らないかと、清水が言うと、幻滅するわよと笑いながら、了解し、一緒に風呂に入った」

「風呂では、結婚して子供を産むと、胸が、大きくなると期待していたけど、大きくならなかったと薫子が笑った」
「それを聞いて胸も大きくなるが、それ以上に太って腹が出てくるよと、清水は言うと、奥さんが、そうだったのと聞き返すので一般論だと切り返した」

「腹の出た女より、ずっと良いよと褒めると立ち上がってと言い薫子が清水に抱き付いた」
「薫子が、清水君は柔道で鍛えた体で胸板が厚く、がっちりした体は変わらないと言った」
「その後、しばらく抱き合っていると風邪引くぞと言い湯船につかった」
 風呂を出ると買ってきた石川県の銘酒、「天狗舞」をグラスに入れて飲み始めた。

「旨いねと言うと、好きだと思って買ってきたのよと、薫子が、笑った」
その後も話は続き、薫子が、でも、私、生まれつき、お酒が弱くて、少ししか飲めないのよと言った。その方が健康的だよと清水が言い、俺もそうだと答えた。
「ベッドで薫子が清水君の優しい所が変わらなくて本当に良かったと述べた」

「高専を出て、どんな仕事していたのと聞くと、転職3回したと伝えた」
「3回めの会社に入る前から、日本の景気が良くなりった」
「大手製薬会社のプロパーの職にありついて、それからの生活は一変したと話した」
「給料もボーナスも信じられない位の金額を手にしたと話した」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み