番外編短編・お土産

文字数 532文字

 久々の休日、杏奈は地平町にあるショッピングモールにいた。駅前からシャトルバスで20分ぐらい揺られてつく。少し辺鄙なところにあるので、商店街の客層とは基本的に被らない。

 ショッピングモールにオーガニックティーの店が新しくできたので、「女子力高!」なルイボスティーやマテ茶、カモミールティーをほくほく顔で買い込む。

 お茶を買い終わると、ガチャ専用のショップへ向かった。猫のフィギアのガチャも多く売っていて、思わず和むが「うちのミャーのが可愛いし」とも思う。

 中には猫神・バステトをかたどったフィギアのガチャもあった。エジプトで崇められていた猫神のフィギアというポップが貼ってあり、こんなの買ったらミャーがブーブー文句を言うのが目に浮かぶ。

 あの三郎の事件から「猫を崇めるんじゃない!」とよく言っていた。エキゾチックな猫神のフィギア自体はちょっと可愛く見えたものだが。

 こんな猫のガチャを見てしまったから、ちょっとミャーに良いお土産でも買って帰ってもいいかもしれないと思った。

 すっかり自分は親バカだ。人間ぽい猫で、言っている事も別に可愛げない。むしろ生意気だが、見た目は本当に可愛い黒猫だ。

 杏奈はペットショップで高級猫缶を売っているのを発見し、レジに持っていった。
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登場人物紹介

橋口杏奈(はしぐち あんな)

カフェ店長。見た目は女子力高めだが、中身は男っぽく、損得勘定も好きなのが玉に瑕。

ミャー

一見かわいい黒猫。しかしその正体は…

柏木藤也(かしわぎ とうや)

町の牧師。陰謀論や都市伝説好き。

変わり者だが根は純粋。

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