第43話 イベントが始まるよ
文字数 1,183文字
いよいよ藤也の教会で伝道イベントが始まった。
杏奈も午後から店を閉め、礼拝堂の入り口で参加者にクッキー配りを手伝った。
想像以上に猫にアイシングクッキーは好評だった。特に子供と女性にだが、直接反応を貰えるには杏奈もなかなか楽しかった。
「杏奈先生!」
「真澄先生じゃないですか!」
真澄も婚約者と一緒に来てくれた。婚約したせいで幸せ太りなのか、真澄の頬は以前よりふっくらして見えた。
「彼とコンビニのスイーツ食べるのハマってるのよね。本当に日本のスイーツは最高水準よ」
何故かしみじみと切なそうに日本のコンビニスイーツを褒める真澄とその婚約者もクッキーを受け取り、歓喜の声を上げる。
「杏奈先生が作ったんですか? めっちゃ可愛い」
「ありがとう!」
「じゃあ、僕たちは前の方に座ろっか」
こうして真澄と婚約者も礼拝堂の前の方の席に座る。
「杏奈、来たぜ」
「ああ、三郎」
別に三郎とは会いたくなかったが、杏奈は無難な営業スマイルを作り、三郎にアイシングクッキーを渡した。
「おぉ、猫様じゃないか。めちゃくちゃ可愛い」
「ど、どうも……」
猫のアイシングクッキーを見て、泣くほど喜んでいる三郎はちょっと不気味だった。
母、美絵、鳩子のおばさん3人組も揃ってやってきた。
「あら、可愛いアイシングクッキー!」
特に鳩子が喜んでいるようで、杏奈の口元もにやける。
「ちょっと、杏奈!三郎くんとはどうなったの?」
母に腕を掴まれて質問されたが、次に客がすぐ来たので運良く解放される。
「杏奈さん、こんにちは!」
「これ、アイシングクッキー。本当に手伝ってくれてありがとうね」
「いえいえ、そんな事ないですって」
マユカに尽力のおかげでアイシングクッキー作りは予想よりはるかに楽にできた。また、マユカも誰かの役に立っている事が嬉しいらしく、笑顔も増えてきた。
もっとも母親の梨子は相変わらずで事件の解決の糸口はどこにも無いが、とりあえずもうすぐ退院できるぐらいには元気になったそうだ。
こうして猫のアイシングクッキーの効果か、続々と客がやってきて礼拝堂は人でいっぱいになった。
「こんな人がいっぱいの礼拝堂は初めてだよ!」
イベントを取り仕切る藤也は緊張でガクガクし始めていたので、杏奈は冷静に突っ込んでおいた。
「緊張して噛んだりしないでね」
「おー、相変わらずだな。杏奈は。ところで俺が教えたモテテクニックは役にやったか?」
逆に痛いところをつかれた。
『それがまた大失敗なのよ』
ミャーがこっそりと小声でいい、藤也は大笑いしていた。
イラッとして少し言い返そうとも思ったが、もうすぎイベントの始まる時間だ。藤也は礼拝堂の教壇の方にいき、準備を始めた。
杏奈は信徒席の一番後ろの席に座りイベントを見守った。
ミャーも少しハラハラした表情で後ろの方で見ている。
どうか無事にイベントが進むよい祈るばかりだった。
杏奈も午後から店を閉め、礼拝堂の入り口で参加者にクッキー配りを手伝った。
想像以上に猫にアイシングクッキーは好評だった。特に子供と女性にだが、直接反応を貰えるには杏奈もなかなか楽しかった。
「杏奈先生!」
「真澄先生じゃないですか!」
真澄も婚約者と一緒に来てくれた。婚約したせいで幸せ太りなのか、真澄の頬は以前よりふっくらして見えた。
「彼とコンビニのスイーツ食べるのハマってるのよね。本当に日本のスイーツは最高水準よ」
何故かしみじみと切なそうに日本のコンビニスイーツを褒める真澄とその婚約者もクッキーを受け取り、歓喜の声を上げる。
「杏奈先生が作ったんですか? めっちゃ可愛い」
「ありがとう!」
「じゃあ、僕たちは前の方に座ろっか」
こうして真澄と婚約者も礼拝堂の前の方の席に座る。
「杏奈、来たぜ」
「ああ、三郎」
別に三郎とは会いたくなかったが、杏奈は無難な営業スマイルを作り、三郎にアイシングクッキーを渡した。
「おぉ、猫様じゃないか。めちゃくちゃ可愛い」
「ど、どうも……」
猫のアイシングクッキーを見て、泣くほど喜んでいる三郎はちょっと不気味だった。
母、美絵、鳩子のおばさん3人組も揃ってやってきた。
「あら、可愛いアイシングクッキー!」
特に鳩子が喜んでいるようで、杏奈の口元もにやける。
「ちょっと、杏奈!三郎くんとはどうなったの?」
母に腕を掴まれて質問されたが、次に客がすぐ来たので運良く解放される。
「杏奈さん、こんにちは!」
「これ、アイシングクッキー。本当に手伝ってくれてありがとうね」
「いえいえ、そんな事ないですって」
マユカに尽力のおかげでアイシングクッキー作りは予想よりはるかに楽にできた。また、マユカも誰かの役に立っている事が嬉しいらしく、笑顔も増えてきた。
もっとも母親の梨子は相変わらずで事件の解決の糸口はどこにも無いが、とりあえずもうすぐ退院できるぐらいには元気になったそうだ。
こうして猫のアイシングクッキーの効果か、続々と客がやってきて礼拝堂は人でいっぱいになった。
「こんな人がいっぱいの礼拝堂は初めてだよ!」
イベントを取り仕切る藤也は緊張でガクガクし始めていたので、杏奈は冷静に突っ込んでおいた。
「緊張して噛んだりしないでね」
「おー、相変わらずだな。杏奈は。ところで俺が教えたモテテクニックは役にやったか?」
逆に痛いところをつかれた。
『それがまた大失敗なのよ』
ミャーがこっそりと小声でいい、藤也は大笑いしていた。
イラッとして少し言い返そうとも思ったが、もうすぎイベントの始まる時間だ。藤也は礼拝堂の教壇の方にいき、準備を始めた。
杏奈は信徒席の一番後ろの席に座りイベントを見守った。
ミャーも少しハラハラした表情で後ろの方で見ている。
どうか無事にイベントが進むよい祈るばかりだった。
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