第28話 謎の女子高生
文字数 1,244文字
今日はいつもより朝早くか目が覚めてしまった。
杏奈は、まだ薄暗い部屋の中で、ベッドから起きてスマートフォンでメールチェックした。ミャーはまだ寝ていていびきも聞こえる。こうして見るとオジサンくさい猫である。
SNSのアカウントをチェックすると、またDMが届いていた。
「お願い。時間がない、猫を守って、どういう事……?」
DMにはそうあったが、さっぱり意味が分からない。嫌がらせだろうか?
一応返事を会書いて送ってみたが、ほとんど稼働していないアカウントで疑問が残った。かといってずっと悩んでいるわけにもいかない。
いつものように朝の支度をすると、ミャーをキャリーバックにいれ、藤也の教会に向かった。
その途中の事だった。
住宅街の小道で女子高生が一人でうずくまっていた。
なぜ女子高生かとわかったといば、この町の地平高校の制服を着ていたからだ。
セーラー服姿と艶々の黒髪がよく似合う。ふと、以前もこの女子高生が店に来ていた事を思い出した。
まだ通学の時間帯より早い。部活の朝練かとも思ったが、疼くまっている姿は見過ごせない。杏奈は声をかけた。
「ちょっと、あなた。どうしたの?」
「あ、あの」
女子高生は顔をあげると一目散に逃げた。
「え、どういう事?」
『杏奈、ここから出して!あの女子高生怪しいわ、追いましょう』
ミャーの言う通りにした。杏奈はミャーを出して、あの女子高生を追う事にした。
女子高生は住宅街に入り、逃げるように走る。明らかに怪しい。
ちょっと声をかけただけで逃げるなんて。
ただ、鈍臭い女子高生のようで足は早くない。ミャーも杏奈もすぐに追いついた。気づくと住宅街の空き地にいた。
土管があり、昭和アニメに出てくるような空き地だった。近くに銃価の会堂もあり、そのトレードマークの旗がはためいているのが見えた。
「ちょっと、あなた。なんで逃げるのよ」
「あ、それは……」
女子高生はコミュ障っぽい。問い詰めるとしろどもどろだった。
『そうよ、あなた。正直に言いなさい!』
話すミャーをみて、女子高生は目を丸くしていた。ただ、ちょっと目がキラッとしている。
「何この猫ちゃん!喋ってる!可愛い!」
女子高生は興奮し、ミャーに抱きついた。
『なにこの女子高生は、暑苦しいわ』
「可愛い!」
どうやら女子高生は可愛いものに弱いようで、話す猫についても普通に受け入れていた。中身はキリスト教の天使と言っても「可愛いからオッケー!」と言っていた。この姿は、とてもコミュ障には見えない。むしろ、何でも「可愛い!」という普通の女子高生だ。
「ところで、少し話できる? あなた、ミケ子の事や銃価の事何か知ってるでしょ?」
しかし、このままずっと「可愛い!」と言い続けているわけにはいかない。
杏奈は頭を冷静にしてそう言うと、女子高生は大人しくなった。目も泳いでいる。
何か知っている可能性が高い。
「ママの事は秘密にしてくれる? だったらミャーにも貴方にも話すわ」
「ママ?」
「うん。私のママは銃価の信者なの……」
杏奈は、まだ薄暗い部屋の中で、ベッドから起きてスマートフォンでメールチェックした。ミャーはまだ寝ていていびきも聞こえる。こうして見るとオジサンくさい猫である。
SNSのアカウントをチェックすると、またDMが届いていた。
「お願い。時間がない、猫を守って、どういう事……?」
DMにはそうあったが、さっぱり意味が分からない。嫌がらせだろうか?
一応返事を会書いて送ってみたが、ほとんど稼働していないアカウントで疑問が残った。かといってずっと悩んでいるわけにもいかない。
いつものように朝の支度をすると、ミャーをキャリーバックにいれ、藤也の教会に向かった。
その途中の事だった。
住宅街の小道で女子高生が一人でうずくまっていた。
なぜ女子高生かとわかったといば、この町の地平高校の制服を着ていたからだ。
セーラー服姿と艶々の黒髪がよく似合う。ふと、以前もこの女子高生が店に来ていた事を思い出した。
まだ通学の時間帯より早い。部活の朝練かとも思ったが、疼くまっている姿は見過ごせない。杏奈は声をかけた。
「ちょっと、あなた。どうしたの?」
「あ、あの」
女子高生は顔をあげると一目散に逃げた。
「え、どういう事?」
『杏奈、ここから出して!あの女子高生怪しいわ、追いましょう』
ミャーの言う通りにした。杏奈はミャーを出して、あの女子高生を追う事にした。
女子高生は住宅街に入り、逃げるように走る。明らかに怪しい。
ちょっと声をかけただけで逃げるなんて。
ただ、鈍臭い女子高生のようで足は早くない。ミャーも杏奈もすぐに追いついた。気づくと住宅街の空き地にいた。
土管があり、昭和アニメに出てくるような空き地だった。近くに銃価の会堂もあり、そのトレードマークの旗がはためいているのが見えた。
「ちょっと、あなた。なんで逃げるのよ」
「あ、それは……」
女子高生はコミュ障っぽい。問い詰めるとしろどもどろだった。
『そうよ、あなた。正直に言いなさい!』
話すミャーをみて、女子高生は目を丸くしていた。ただ、ちょっと目がキラッとしている。
「何この猫ちゃん!喋ってる!可愛い!」
女子高生は興奮し、ミャーに抱きついた。
『なにこの女子高生は、暑苦しいわ』
「可愛い!」
どうやら女子高生は可愛いものに弱いようで、話す猫についても普通に受け入れていた。中身はキリスト教の天使と言っても「可愛いからオッケー!」と言っていた。この姿は、とてもコミュ障には見えない。むしろ、何でも「可愛い!」という普通の女子高生だ。
「ところで、少し話できる? あなた、ミケ子の事や銃価の事何か知ってるでしょ?」
しかし、このままずっと「可愛い!」と言い続けているわけにはいかない。
杏奈は頭を冷静にしてそう言うと、女子高生は大人しくなった。目も泳いでいる。
何か知っている可能性が高い。
「ママの事は秘密にしてくれる? だったらミャーにも貴方にも話すわ」
「ママ?」
「うん。私のママは銃価の信者なの……」
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