第32話 ミャーの目的
文字数 1,803文字
閉店間際、ミャーが帰ってきた。
少し早いが、扉を閉めてクローズの看板を置いた。
少しテーブル席に座ってミャーと話す事にした。
「おかえり、ミャー。どうだった?」
『ええ。今から今日の調査結果について説明するわ』
杏奈はエプロンのポケットからメモ帳を出し、ミャーの話を聞く事にした。
『まず隣の江田町まで行ってみたのよ』
「けっこう遠いわよ。疲れたでしょ」
『別にそうでもないけどね』
こうしてミャーは隣町の野良猫の接触したそうだ。
隣町の野良猫・ぶち猫のブッチーによると、『猫は人間の罪深さに怒り心頭!』なのだそう。銃価のような悪魔崇拝儀式も論外だが、過剰に猫を崇め、神格化している人も罪深い。ペット業社や虐待する人とももう仲良くしたくないという。
『猫たちはかなり怒っているわ』
「それでこの町の猫が消えたのは、どんな関係が?」
『ブッチーによると、何匹か江田町で野良猫やってるみたい。私も野良猫達を見てきたけれど、安全は確認したわ』
「つまり、この町の猫は人間たちの罪深さにキレて、逃げたって事でオッケー?」
杏奈はわかった情報をメモに書く。
『ええ。ミケ子が殺されて、この町の猫もブチ切れたって事ね」
「でも、どうすればいいの?このままでは……」
猫達の無事は確認できたが、このままでが良いわけがない。しかも猫達が自主的に逃げているだけの状況なので、警察に相談しようもない。もっとも警察が話を聞いてくれるかどうかは謎だが。
『にかく、人間が神様と和解するのが一番の近道ね』
「でも、そんな事は……」
まだまだミャーの言う事は信じられない。ただ、実際猫が居なくなっているわけだし、銃価の悪魔崇拝儀式が罪深い事という事はわかる。
という事はミャー言うように神様と和解するのがいいの?
冷静な杏奈でも頭がちょっと混乱してきた。
『私も事件を追うより当初の計画を果たすわ。人間に神様を知って貰えるように、何か藤也とやってみようと思うのよね』
ミャーの言う事は全部信じたわけではないが、結局解決策は杏奈もわからない。ここはミャーに任せた方が良いと思った。
「わかった。それは協力するよ」
『あら、意外と物分かり良いじゃない』
何がおかしいのかミャーは、顔をくしゃくしゃにして大笑いしていた。
そう、ナァも戻ってきたわけだし、町の猫も無事となりと杏奈の気持ちには余裕があった。
「杏奈、腹減った!」
ちょうどそこに藤也とマユカが店に入ってきた。
もう閉店なので、本来なら追い出したかったわけだが、事件の事も聞きたいので店に入れた。マユカもあれからどうしたのか気になる。
藤也もマユカもサンドイッチが食べたいというので作ってやった。中身は業務用のサラダやカツで作ったものだが、腹を減らした藤也やマユカには好評だった。
テーブル席をみんなで囲み、藤也の話を詳しくきく。今日、ナァを逃せられたのはマユカが坂口家の鍵を開けたり、尽力してくれたからという事だった。
「マユカ。大丈夫?親にバレてない?」
杏奈は心配だった。
「まバレていないと思うけど……」
表情を暗くするマユカを見ていると心配になり、これを食べたらみんなで家まで送って行く事になった。
「藤也はどうなの?警察は話聞いてくれた?」
「それが全く聞いてくれなかった!俺も予想していたが、三郎も怒り心頭だった」
「三郎はどうしたの?」
「仕事あるからって警察で別れたよ。ただ、超怒ってたね」
意外だ。猫好きな男だとは思っていたが、そこまで怒りを持つなんて。
『警察に聞いてくれなかったら、どうするわけ?』
ミャーの質問はもっともだった。マユカはミャーを抱きしめ、膝の上に乗せてうっとりとした表情を見せている。よっぽどミャーが気に入ったようだ。
「ナァも戻ったし、本来の仕事しようと思う。ミャーもいるしさ、なんか猫をからめてキリスト教の伝道もやってみたいね」
『そうよ、藤也。私がここにいる目的が神様の仕事するためだもの』
という事でミャーも藤也も事件の事は、一旦おいて伝道について活動する事に決まってしまった。
「へー、キリスト教って勧誘じゃなくて伝道って言うんだね」
マユカはなぜかキリスト教に興味を持っていた。というかミャーが天使と聞いて、興味を持ったようだが。
銃価がミケ子を殺した事は、警察がろくに取り合ってくれない事は、ちょっと悔しい杏奈だったが、とりあえずナァが無事だった事で力が抜けてしまった。
少し早いが、扉を閉めてクローズの看板を置いた。
少しテーブル席に座ってミャーと話す事にした。
「おかえり、ミャー。どうだった?」
『ええ。今から今日の調査結果について説明するわ』
杏奈はエプロンのポケットからメモ帳を出し、ミャーの話を聞く事にした。
『まず隣の江田町まで行ってみたのよ』
「けっこう遠いわよ。疲れたでしょ」
『別にそうでもないけどね』
こうしてミャーは隣町の野良猫の接触したそうだ。
隣町の野良猫・ぶち猫のブッチーによると、『猫は人間の罪深さに怒り心頭!』なのだそう。銃価のような悪魔崇拝儀式も論外だが、過剰に猫を崇め、神格化している人も罪深い。ペット業社や虐待する人とももう仲良くしたくないという。
『猫たちはかなり怒っているわ』
「それでこの町の猫が消えたのは、どんな関係が?」
『ブッチーによると、何匹か江田町で野良猫やってるみたい。私も野良猫達を見てきたけれど、安全は確認したわ』
「つまり、この町の猫は人間たちの罪深さにキレて、逃げたって事でオッケー?」
杏奈はわかった情報をメモに書く。
『ええ。ミケ子が殺されて、この町の猫もブチ切れたって事ね」
「でも、どうすればいいの?このままでは……」
猫達の無事は確認できたが、このままでが良いわけがない。しかも猫達が自主的に逃げているだけの状況なので、警察に相談しようもない。もっとも警察が話を聞いてくれるかどうかは謎だが。
『にかく、人間が神様と和解するのが一番の近道ね』
「でも、そんな事は……」
まだまだミャーの言う事は信じられない。ただ、実際猫が居なくなっているわけだし、銃価の悪魔崇拝儀式が罪深い事という事はわかる。
という事はミャー言うように神様と和解するのがいいの?
冷静な杏奈でも頭がちょっと混乱してきた。
『私も事件を追うより当初の計画を果たすわ。人間に神様を知って貰えるように、何か藤也とやってみようと思うのよね』
ミャーの言う事は全部信じたわけではないが、結局解決策は杏奈もわからない。ここはミャーに任せた方が良いと思った。
「わかった。それは協力するよ」
『あら、意外と物分かり良いじゃない』
何がおかしいのかミャーは、顔をくしゃくしゃにして大笑いしていた。
そう、ナァも戻ってきたわけだし、町の猫も無事となりと杏奈の気持ちには余裕があった。
「杏奈、腹減った!」
ちょうどそこに藤也とマユカが店に入ってきた。
もう閉店なので、本来なら追い出したかったわけだが、事件の事も聞きたいので店に入れた。マユカもあれからどうしたのか気になる。
藤也もマユカもサンドイッチが食べたいというので作ってやった。中身は業務用のサラダやカツで作ったものだが、腹を減らした藤也やマユカには好評だった。
テーブル席をみんなで囲み、藤也の話を詳しくきく。今日、ナァを逃せられたのはマユカが坂口家の鍵を開けたり、尽力してくれたからという事だった。
「マユカ。大丈夫?親にバレてない?」
杏奈は心配だった。
「まバレていないと思うけど……」
表情を暗くするマユカを見ていると心配になり、これを食べたらみんなで家まで送って行く事になった。
「藤也はどうなの?警察は話聞いてくれた?」
「それが全く聞いてくれなかった!俺も予想していたが、三郎も怒り心頭だった」
「三郎はどうしたの?」
「仕事あるからって警察で別れたよ。ただ、超怒ってたね」
意外だ。猫好きな男だとは思っていたが、そこまで怒りを持つなんて。
『警察に聞いてくれなかったら、どうするわけ?』
ミャーの質問はもっともだった。マユカはミャーを抱きしめ、膝の上に乗せてうっとりとした表情を見せている。よっぽどミャーが気に入ったようだ。
「ナァも戻ったし、本来の仕事しようと思う。ミャーもいるしさ、なんか猫をからめてキリスト教の伝道もやってみたいね」
『そうよ、藤也。私がここにいる目的が神様の仕事するためだもの』
という事でミャーも藤也も事件の事は、一旦おいて伝道について活動する事に決まってしまった。
「へー、キリスト教って勧誘じゃなくて伝道って言うんだね」
マユカはなぜかキリスト教に興味を持っていた。というかミャーが天使と聞いて、興味を持ったようだが。
銃価がミケ子を殺した事は、警察がろくに取り合ってくれない事は、ちょっと悔しい杏奈だったが、とりあえずナァが無事だった事で力が抜けてしまった。
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