第31話 ナァが帰って来た
文字数 1,615文字
店に入ってきた藤也はナァを抱きしめていた。ふわふわの白い毛に埋もれている藤也の腕がちょっと羨ましいものだが、ナァはとても元気そうだった。みての通り毛並みもふわふわだ。
藤也の足元にはミャーもいた。ミャーもそっと店に入れるが、藤也が大騒ぎしているので、杏奈以外はミャーが居る事に気づいていなかった。
「捕まえたぞ、この白い猫を!」
「ちょっと藤也、順を追って説明しなさいよ。どういう事?」
とりあえず興奮している藤也をテーブル席に座らせた。なぜか他の一同も藤也と同じテーブルのつき、話を聞きたがっていた。ミャーはカウンター席に座り、こっそりと様子を伺っていた。
藤也はアイスコーヒーを飲みたいというので、作って持っていった。途中、ミャーにこっそり話しかけると『ナァは助かったわ!』と満足そうだった。ナァはちょっと落ち着きがなく、藤也の腕からミャーのそばに座っていた。白猫のナァと黒猫のミャーが並ぶと、ちょっとオセロみたいに見える。というか萌える。可愛い。
そんな事を考えつつ、藤也の目の前にアイスコーヒーをおく。
三郎もこのテーブルについていた。自己紹介はすんだようで、三郎もこの場に馴染んでいる。猫の話題という事で興味あるようだ。
「実はな、俺はナァを連れ去った犯人を判明したのさ」
藤也は胸をはりながら、銃価の猫を使った悪魔崇拝儀式について語る。初耳の母や美絵は信じられない!と大声を出す。
「許せない! 猫をそんな儀式に使うなんて!」
意外な事に三郎も怒りで震えていた。顔も真っ赤になっている。杏奈は急いで厨房でアイスコーヒーを作って三郎に持っていった。
「ちょっと落ち着いたら、三郎」
「いや、杏奈ありがとう。猫の事になると俺は普通じゃなくなるんだ」
「へぇ」
やっぱり三郎は相当なネコ好きにみえた。虎猫に「女神」なんて名前をつけるなんて相当だ。
「話を進めるぞ。ある情報から、俺の近所に住む坂口梨子という銃価信者の家にナァがいる事を知った。そして隙をみてナァを逃す事に成功したのだ」
ドヤ顔で語る藤也に杏奈はため息が出てくる。全部ミャーの捜査のおかげだ。おそらくナァを逃したのもミャーがかなり協力したのだろう。それにミャーがいないとマユカから話を聞くのも無理だった。藤也にツッコミを入れたくなるが、まあ、ナァが逃げられたのは良しとしよう。
「もちろん、警察には言うんですよね」
三郎は腕を組んで、藤也を睨みつける。
「いや、銃価と警察は密状態なんだよ。俺が言っても聞いてくれるかわからなんな」
「ダメじゃないですか、牧師さん! 警察にこの事言いましょう」
「えー、めんどい。空他にには会いたくにゃい〜」
「バカな事言わないで、行きましょう!」
三郎はこの件でかなり怒り心頭のようで、無理矢理藤也を連れて警察に行ってしまった。
「よっぽど猫好きね」
杏奈はこっそりとミャーに話しかける。
『私はああいう猫好きは苦手ね。猫に偶像崇拝すんじゃないと言いたい』
「偶像崇拝?」
『神様以外のものを拝む事よ。猫を拝むのもそうね。後で詳しく教えてあげる』
そばにいるナァとは会話できないわけだが、ナァはちょっと顔が沈んでいるように見えた。
「ナァ!」
しかし、長谷川がやってきて時は、さすがにホッとしたように見えた。
長谷川はナァを抱きしめると、少し泣いていた。
「よかったわ、長谷川さん」
「本当によかったわね」
美絵と母もほっとしていた。
「もう、変なスピリチュアル はやらないわね?」
杏奈が聞くと、長谷川がポロリと涙をこぼす。
「ええ。しません。詳しい事は知りませんけど、牧師さんが見つけてくれたんですってね。本当にありがたいです。前は失礼な事言って悪かったわ」
これで長谷川の飼い猫・ナァについては解決してした。
でも、この町で消えた猫は?
まだ一件落着とは言い難かった。
『消えた猫は気になるわね。ちょっと一匹で調査してくるわ』
その後、ミャーは出かけてしまった。
藤也の足元にはミャーもいた。ミャーもそっと店に入れるが、藤也が大騒ぎしているので、杏奈以外はミャーが居る事に気づいていなかった。
「捕まえたぞ、この白い猫を!」
「ちょっと藤也、順を追って説明しなさいよ。どういう事?」
とりあえず興奮している藤也をテーブル席に座らせた。なぜか他の一同も藤也と同じテーブルのつき、話を聞きたがっていた。ミャーはカウンター席に座り、こっそりと様子を伺っていた。
藤也はアイスコーヒーを飲みたいというので、作って持っていった。途中、ミャーにこっそり話しかけると『ナァは助かったわ!』と満足そうだった。ナァはちょっと落ち着きがなく、藤也の腕からミャーのそばに座っていた。白猫のナァと黒猫のミャーが並ぶと、ちょっとオセロみたいに見える。というか萌える。可愛い。
そんな事を考えつつ、藤也の目の前にアイスコーヒーをおく。
三郎もこのテーブルについていた。自己紹介はすんだようで、三郎もこの場に馴染んでいる。猫の話題という事で興味あるようだ。
「実はな、俺はナァを連れ去った犯人を判明したのさ」
藤也は胸をはりながら、銃価の猫を使った悪魔崇拝儀式について語る。初耳の母や美絵は信じられない!と大声を出す。
「許せない! 猫をそんな儀式に使うなんて!」
意外な事に三郎も怒りで震えていた。顔も真っ赤になっている。杏奈は急いで厨房でアイスコーヒーを作って三郎に持っていった。
「ちょっと落ち着いたら、三郎」
「いや、杏奈ありがとう。猫の事になると俺は普通じゃなくなるんだ」
「へぇ」
やっぱり三郎は相当なネコ好きにみえた。虎猫に「女神」なんて名前をつけるなんて相当だ。
「話を進めるぞ。ある情報から、俺の近所に住む坂口梨子という銃価信者の家にナァがいる事を知った。そして隙をみてナァを逃す事に成功したのだ」
ドヤ顔で語る藤也に杏奈はため息が出てくる。全部ミャーの捜査のおかげだ。おそらくナァを逃したのもミャーがかなり協力したのだろう。それにミャーがいないとマユカから話を聞くのも無理だった。藤也にツッコミを入れたくなるが、まあ、ナァが逃げられたのは良しとしよう。
「もちろん、警察には言うんですよね」
三郎は腕を組んで、藤也を睨みつける。
「いや、銃価と警察は密状態なんだよ。俺が言っても聞いてくれるかわからなんな」
「ダメじゃないですか、牧師さん! 警察にこの事言いましょう」
「えー、めんどい。空他にには会いたくにゃい〜」
「バカな事言わないで、行きましょう!」
三郎はこの件でかなり怒り心頭のようで、無理矢理藤也を連れて警察に行ってしまった。
「よっぽど猫好きね」
杏奈はこっそりとミャーに話しかける。
『私はああいう猫好きは苦手ね。猫に偶像崇拝すんじゃないと言いたい』
「偶像崇拝?」
『神様以外のものを拝む事よ。猫を拝むのもそうね。後で詳しく教えてあげる』
そばにいるナァとは会話できないわけだが、ナァはちょっと顔が沈んでいるように見えた。
「ナァ!」
しかし、長谷川がやってきて時は、さすがにホッとしたように見えた。
長谷川はナァを抱きしめると、少し泣いていた。
「よかったわ、長谷川さん」
「本当によかったわね」
美絵と母もほっとしていた。
「もう、変なスピリチュアル はやらないわね?」
杏奈が聞くと、長谷川がポロリと涙をこぼす。
「ええ。しません。詳しい事は知りませんけど、牧師さんが見つけてくれたんですってね。本当にありがたいです。前は失礼な事言って悪かったわ」
これで長谷川の飼い猫・ナァについては解決してした。
でも、この町で消えた猫は?
まだ一件落着とは言い難かった。
『消えた猫は気になるわね。ちょっと一匹で調査してくるわ』
その後、ミャーは出かけてしまった。
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