第41話

文字数 831文字

今日から、本格的に長谷川くんが戦闘に復帰する事になりました。

「長谷川兵長、本日より戦闘に復帰します!」
「ああ。期待している。」

長谷川くんは、高橋曹長と川本曹長に敬礼をしました。

「今回の作戦なんやけど、長谷川と甲斐は予備搭乗員だ。」
「だが、いつでも戦闘に参加出来る様に待機しておけ。」
「「はっ!!」」
「作戦は明日だ。それぞれ体を休め、明日に備える様に。」
「「はっ!!」」
「それでは、解散!!」

川本曹長の指示を聞き、今度は全員で敬礼をしました。



部屋に戻ると、まだ誰も帰って来ていませんでした。
私は引き出しを開け、紗和さんからの手紙を取り出しました。

「(今回のお守りはどれにしようかな)」

紗和さんが書いてくれた手紙…絵は、
どれも素敵でお気に入りなので、
毎回悩みます。
本当はどれも大切に保管したいので…。

「紗和ちゃんが描いた絵か?」
「うわぁああ!!!!」

気が付いたら、後ろに米田くんがいました。

「すまん、そんな驚くとは思わんくて…。」
「あ、いや、こっちこそ…。」
「大切に保管してるんやな。」
「うん。でも、戦場に行く時に1枚持って行くねん。」
「お守りか。」
「そう。胸ポケットの中に丁度収まる大きさやねん。」

そうだ、今回はこの“勿忘草”が描かれているやつにしましょう。

「花の絵が多いな。」
「花言葉なら、検閲で引っ掛かりにくいだろうって紗和さんが。」
「なるほど…流石頭良いなぁ。
俺も真似しようかな…。」
「?米田くん、花言葉で思いを伝えたい相手がおるん?」

彼から恋愛の話を聞く事が無かったので、
少し驚きました。
優しくてかっこよくて、頼り甲斐のある彼なので、彼を想う人の1人や2人、
いてもおかしくないですね。

「え!?あ、いや、おらんよ!!
おらんけど、そういう相手が出来た時、
そのやり方使わせて貰おうかなぁって!」
「もし好きな人が出来たら教えてね。
嫌じゃなかったら。」
「お、おう!」

この慌て具合、間違いなく居るんだろうけど、彼から話してくれるまで深掘りはしないでおく事にしました。
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