第48話
文字数 644文字
真珠湾攻撃で始まった太平洋戦争。
最初は戦局がこちらに向いていると思われていましたが、
その翌年のミッドウェー海戦やソロモン諸島を巡る消耗戦で多くの犠牲を出しました。
1944年6月のマリアナ沖海戦では、
400機もの空母艦載機と空母3隻を失い、
日本軍は機動力をなくします。
『もう、通常の攻撃では、対抗出来ない特攻による体当たり攻撃をするしかない。』
軍上層部は、そう考える様になりました。
そして1944年10月、
『神風特別攻撃隊』
と名付けた部隊を編成しました。
多くの若者が、この特攻による体当たり攻撃で命を落としました。
◇
ある日、坂元大佐が我々に告げました。
「我が軍は、多くの空母艦載機と空母を失った。もう、戦う手段が特攻…体当たり攻撃しかない。」
紙が配られました。
その紙には『希望する』『希望しない』
と書かれていました。
「特攻は、成功すればほぼ必ず死ぬ作戦だ。希望を募る。」
ですが、希望制は形だけでした。
「(紗和さん…。約束を守れなくてごめんなさい。)」
私は『希望する』に丸を付けて提出しました。私だけでなく、ここにいるほぼ全員が
『希望する』に丸を付けたと思います。
◇
「紗和ちゃんとおばちゃんに遺書書かんとなぁ」
「うん…」
私は、米田くんと長谷川くんと甲斐くんと、
部屋までの道のりを歩いていました。
「浩二」
「んー?」
「お前、紙渡された時、誰よりも早く提出したよな。」
長谷川くんは、米田くんに問い掛けます。
「まぁな。あんなん、形だけの希望制やろ。だからさっさと提出した。そんだけや。」
「……」
最初は戦局がこちらに向いていると思われていましたが、
その翌年のミッドウェー海戦やソロモン諸島を巡る消耗戦で多くの犠牲を出しました。
1944年6月のマリアナ沖海戦では、
400機もの空母艦載機と空母3隻を失い、
日本軍は機動力をなくします。
『もう、通常の攻撃では、対抗出来ない特攻による体当たり攻撃をするしかない。』
軍上層部は、そう考える様になりました。
そして1944年10月、
『神風特別攻撃隊』
と名付けた部隊を編成しました。
多くの若者が、この特攻による体当たり攻撃で命を落としました。
◇
ある日、坂元大佐が我々に告げました。
「我が軍は、多くの空母艦載機と空母を失った。もう、戦う手段が特攻…体当たり攻撃しかない。」
紙が配られました。
その紙には『希望する』『希望しない』
と書かれていました。
「特攻は、成功すればほぼ必ず死ぬ作戦だ。希望を募る。」
ですが、希望制は形だけでした。
「(紗和さん…。約束を守れなくてごめんなさい。)」
私は『希望する』に丸を付けて提出しました。私だけでなく、ここにいるほぼ全員が
『希望する』に丸を付けたと思います。
◇
「紗和ちゃんとおばちゃんに遺書書かんとなぁ」
「うん…」
私は、米田くんと長谷川くんと甲斐くんと、
部屋までの道のりを歩いていました。
「浩二」
「んー?」
「お前、紙渡された時、誰よりも早く提出したよな。」
長谷川くんは、米田くんに問い掛けます。
「まぁな。あんなん、形だけの希望制やろ。だからさっさと提出した。そんだけや。」
「……」