第46話

文字数 624文字

呉の基地へと帰宅しました。
負傷した兵士を含め、残った兵士は半分も居ませんでした。

「川本曹長」

高橋曹長と、川本曹長の容態を見に行きました。

「高橋と田中か」
「怪我の様子はいかがですか?」

高橋曹長が怪我の様子を尋ねます。

「残念だが、前の様に戦う事は無理なんだそうだ。」
「そうですか…。」
「もうそろそろ、世代交代なのかも知れんな。」
「!!」
「そんな!川本曹長には、まだまだ現役で活躍して我々を導いて頂かないと…!!」
「高橋」
「はっ!」
「お前は私なんかより遥かに優秀な軍人だ。安心して任せられる。」
「川本曹長…!!」
「田中」
「はっ!」
「すまないが、高橋と話がしたい。
席を外してくれ。」
「はっ!失礼します。」

川本曹長に敬礼をして、席を外しました。
病院の外で、高橋曹長が戻るのを待とうと思います。



15分後、高橋曹長が戻って来ました。

「悪い田中。待たせたな。」
「いえ。」
「戻るぞ。」
「はい。」

高橋曹長の少し後ろを歩きます。

「高橋曹長は、川本曹長と長いお付き合いなんですか?」
「ああ。俺が下っ端の頃からの付き合いや。
…田中は、川本曹長が年齢や能力の割に
階級が低いと思った事はあるか?」
「実は…あります。」

川本曹長は、私の両親よりは若いですが、
それなりに年齢を重ねられています。

「あれはな、まだ俺が入隊したばかりの頃、事故で大怪我をして、軍から結構長い事遠ざかったんや。」
「そんな事が…。」
「もしその事故が無ければ、今頃中佐位にはなっていたんやろうなぁ…。」
「……」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み