第33話
文字数 788文字
「紗和さん…ごめん…。」
「ぅう……っ…」
「ほんまに、ごめん…。
悔しさと嫉妬で、頭がおかしくなってた。」
「……」
紗和さんの綺麗な目から流れる涙を、
そっと拭いました。
「もう、『敵に突撃して死んでやる』
なんて言わへんから。」
「…本当?」
「うん」
紗和さんの額に、こつんと私の額を当てます。
「だから、もう泣かないで。」
「うん…っ!」
紗和さんに口付けをしました。
◇
「そう言えば…」
「ん?」
「私、昴さんに直接
『もう一度絵の勉強をしたい』とか
『画家になりたい』とか
言った事あったかなぁ?」
「あれだけ上手いんやもん。
それにおかみさんから、東京まで行って絵の勉強をしていたけど、お国の方針で軍需工場になった。って話を聞いていたからね。
そうなんやろうなって思ったんよ。」
頬をほんのり赤く染めて、微笑む彼女。
あぁ、やっぱり私は紗和さんの笑顔が大好きです。
「昴さんの夢って何?」
「戦争が終わって、紗和さんがもう一度絵の勉強をする事やけど…」
「それは私の夢でもあるでしょ?
そうじゃなくて、“昴さんの夢”!!」
「僕の…そうやな…。」
◇
「昔から、近所の子供達と遊ぶのが好きやってん。」
「うん。」
「だからさ、その…僕、子供が好きやねん。
だから、子供欲しいなぁ…って…。」
ちょっと恥ずかしかったけれど、
勇気をだして言いました。
「自分の子供には…
いや、これから産まれてくる子供達には、
僕達みたいな苦しい思いをして欲しくない。戦争を知らずに育って欲しい。」
そう。こんな苦しい思いをするのは、
私達で最後にしないといけないのです。
「素敵!」
「そ、そうかな…?」
「私、夢が1つ増えちゃった!」
「どんな夢?」
「昴さんの子供を生む事!
私も子供好きやし…それに、私一人っ子やから、3人ぐらい欲しい!!」
「紗和さん…!!」
嬉しくて、彼女を力いっぱい抱き締めました。
「僕の夢は紗和さんの夢。
紗和さんの夢は僕の夢だよ。」
「うん…!!」
「ぅう……っ…」
「ほんまに、ごめん…。
悔しさと嫉妬で、頭がおかしくなってた。」
「……」
紗和さんの綺麗な目から流れる涙を、
そっと拭いました。
「もう、『敵に突撃して死んでやる』
なんて言わへんから。」
「…本当?」
「うん」
紗和さんの額に、こつんと私の額を当てます。
「だから、もう泣かないで。」
「うん…っ!」
紗和さんに口付けをしました。
◇
「そう言えば…」
「ん?」
「私、昴さんに直接
『もう一度絵の勉強をしたい』とか
『画家になりたい』とか
言った事あったかなぁ?」
「あれだけ上手いんやもん。
それにおかみさんから、東京まで行って絵の勉強をしていたけど、お国の方針で軍需工場になった。って話を聞いていたからね。
そうなんやろうなって思ったんよ。」
頬をほんのり赤く染めて、微笑む彼女。
あぁ、やっぱり私は紗和さんの笑顔が大好きです。
「昴さんの夢って何?」
「戦争が終わって、紗和さんがもう一度絵の勉強をする事やけど…」
「それは私の夢でもあるでしょ?
そうじゃなくて、“昴さんの夢”!!」
「僕の…そうやな…。」
◇
「昔から、近所の子供達と遊ぶのが好きやってん。」
「うん。」
「だからさ、その…僕、子供が好きやねん。
だから、子供欲しいなぁ…って…。」
ちょっと恥ずかしかったけれど、
勇気をだして言いました。
「自分の子供には…
いや、これから産まれてくる子供達には、
僕達みたいな苦しい思いをして欲しくない。戦争を知らずに育って欲しい。」
そう。こんな苦しい思いをするのは、
私達で最後にしないといけないのです。
「素敵!」
「そ、そうかな…?」
「私、夢が1つ増えちゃった!」
「どんな夢?」
「昴さんの子供を生む事!
私も子供好きやし…それに、私一人っ子やから、3人ぐらい欲しい!!」
「紗和さん…!!」
嬉しくて、彼女を力いっぱい抱き締めました。
「僕の夢は紗和さんの夢。
紗和さんの夢は僕の夢だよ。」
「うん…!!」