第10話
文字数 1,042文字
長谷川くんが松本さんとの馴れ初め等を話すのを、米田くんと白川くんは嬉しそうに聞いていました。
特に白川くん。
とてもにこにこしています。
「めっちゃ嬉しそうやねぇ、白川くん。」
「うん!人が幸せになる話、好き。
僕も嬉しくなる。」
「白川くんらしいね。」
「で、昴くんは?」
笑顔で迫ってくる白川くん。
「そうやで昴!俺も話したんやから、
昴の話も聞かせろよ。」
「紗和ちゃん泣かせたらボコボコにするで。」
「う、うん!えっとね…」
東京から帰ったばかりの紗和さんが
チンピラに絡まれているのを助けた事。
どうしてもお礼をしたいとの事で、
三宮案内をお願いした事。
そして…さっき、気持ちを伝えあった事。
2人はニヤニヤしながら聞いていました。
…何故か長谷川くんも。
◇
引越しの準備も殆ど終わり、
後は新しい配属先に向かうだけです。
白川くんと私は同じ隊です。
全員、広島県の呉へ行く事になりました。
出発の10日ほど前、米田くんの提案で
4人で写真を撮ることになりました。
当時の写真は撮影するのに時間がかかり、
じっとしていないといけませんでした。
子供の頃、家族で写真を撮った時、
両親は、うろうろする私と妹を落ち着かせるのに苦労したそうです。
「写真館なんて久し振りだ…!」
「うん、僕も。」
「俺がここに来る前に、家族全員で写真を撮ったんだ。」
長谷川くんと私が懐かしさを感じていると、
米田くんが
「俺、写真館初めてやねん!!
失礼しまーす!!」
米田くんに続き、写真館の中に入りました。
◇
写真の構図は、私と白川くんが椅子に座り、
米田くんと長谷川くんがその後ろに立つ。
と言った感じです。
「はい、めっちゃ良いのが撮れたで!!」
「ありがとうございます!!」
4人で写真館のご主人に感謝の気持ちを伝えました。
「現像するのが楽しみやね!!」
帰り道、私は3人に言いました。
「な〜!!俺、男前に撮れてるやろか。」
「大丈夫。絶対撮れてるよ!!」
「目を瞑ってないかな…」
そして出発の前日に、写真が出来上がりました。私は真っ先に封筒を開けました。
「あれ?1枚多くない?」
「あ、ほんまや。」
米田くんも中身を確認します。
封筒の中には、撮影したはずの無い写真が入っていました。
「あ…」
それは撮影後の笑顔の私達。
年頃の男子らしく、じゃれ合う私達でした。
「凄く良い絵が撮れるって思ってな。
おじちゃんからのサービスや!」
「「ありがとうございます!!」」
ご主人の粋な計らいに感動し、
再び4人で感謝の気持ちを伝えました。
…この写真が、私達4人で撮る
最初で最後の写真となりました。
特に白川くん。
とてもにこにこしています。
「めっちゃ嬉しそうやねぇ、白川くん。」
「うん!人が幸せになる話、好き。
僕も嬉しくなる。」
「白川くんらしいね。」
「で、昴くんは?」
笑顔で迫ってくる白川くん。
「そうやで昴!俺も話したんやから、
昴の話も聞かせろよ。」
「紗和ちゃん泣かせたらボコボコにするで。」
「う、うん!えっとね…」
東京から帰ったばかりの紗和さんが
チンピラに絡まれているのを助けた事。
どうしてもお礼をしたいとの事で、
三宮案内をお願いした事。
そして…さっき、気持ちを伝えあった事。
2人はニヤニヤしながら聞いていました。
…何故か長谷川くんも。
◇
引越しの準備も殆ど終わり、
後は新しい配属先に向かうだけです。
白川くんと私は同じ隊です。
全員、広島県の呉へ行く事になりました。
出発の10日ほど前、米田くんの提案で
4人で写真を撮ることになりました。
当時の写真は撮影するのに時間がかかり、
じっとしていないといけませんでした。
子供の頃、家族で写真を撮った時、
両親は、うろうろする私と妹を落ち着かせるのに苦労したそうです。
「写真館なんて久し振りだ…!」
「うん、僕も。」
「俺がここに来る前に、家族全員で写真を撮ったんだ。」
長谷川くんと私が懐かしさを感じていると、
米田くんが
「俺、写真館初めてやねん!!
失礼しまーす!!」
米田くんに続き、写真館の中に入りました。
◇
写真の構図は、私と白川くんが椅子に座り、
米田くんと長谷川くんがその後ろに立つ。
と言った感じです。
「はい、めっちゃ良いのが撮れたで!!」
「ありがとうございます!!」
4人で写真館のご主人に感謝の気持ちを伝えました。
「現像するのが楽しみやね!!」
帰り道、私は3人に言いました。
「な〜!!俺、男前に撮れてるやろか。」
「大丈夫。絶対撮れてるよ!!」
「目を瞑ってないかな…」
そして出発の前日に、写真が出来上がりました。私は真っ先に封筒を開けました。
「あれ?1枚多くない?」
「あ、ほんまや。」
米田くんも中身を確認します。
封筒の中には、撮影したはずの無い写真が入っていました。
「あ…」
それは撮影後の笑顔の私達。
年頃の男子らしく、じゃれ合う私達でした。
「凄く良い絵が撮れるって思ってな。
おじちゃんからのサービスや!」
「「ありがとうございます!!」」
ご主人の粋な計らいに感動し、
再び4人で感謝の気持ちを伝えました。
…この写真が、私達4人で撮る
最初で最後の写真となりました。