第30話
文字数 944文字
「昴は、ほんまに良い家族に愛されて育ったんやな。」
米田くんは、優しいけれど、少し寂しそうな目で、私達を見ていました。
「だから、お前も優しくてええ奴なんやな。」
「優しい…かな?」
「優しいよ。優しくて、強い。」
私からすると、米田くんの方が優しくて強いと思うのですが…。
でも、自分の事は自分では分からないし
優しいと言ってくれるのは、素直に嬉しいです。
「ご飯出来たで。」
「お待たせ!!」
久し振りの母の料理。
いつも少ない食料で、いかに美味しく
空腹を満たせるかを考えてくれている料理。
今日は私の久し振りの帰省や、ご近所さんからのお裾分けもあったので、
豪華な食卓になっています。
「「いただきます!!」」
「んっ、うま!!」
米田くんも気に入ってくれたみたいで、
とても嬉しいです。
「めちゃくちゃ美味しいです!!」
「お代わりあるから、沢山食べて頂戴ね。」
「「ご馳走様でした!!」」
沢山あった料理は、綺麗に無くなりました。
「すみません。こんな食料不足のご時世に、沢山ご馳走して頂いて…。」
「気にせんとって。気持ち良い食べっぷりを見せてくれて、おばちゃん嬉しいわぁ。」
晴子もにこにこしています。
◇
「それじゃあ昴。後で三宮で合流しような。」
「うん。」
私は実家で2泊し、それから三宮で1泊する事になりました。
「おばさん、晴子ちゃん、今日は本当にありがとうございました。」
「こちらこそ。」
「米田さん!」
晴子が米田くんに何かを渡しました。
「これ…良かったら!!」
「!」
晴子が米田くんに渡したのは、腕輪でした。
「ありがとう晴子ちゃん。
大切にする。」
晴子は顔を赤らめて微笑んでいました。
◇
晴子は先に眠りにつき、私は母とのんびり過ごしていました。
「昴、あんたもしかして恋してるん?」
「!!!?」
紗和さんの事は何も話していないのに
言い当てられて、心臓が飛び出そうな程驚きました。
「なっ、何で分かったん!!?」
「そりゃあ母親やもん。
息子の変化にはすぐに気付くわ。」
「変化?」
「顔付きが全然違う。
軍隊で厳しい訓練をして来たんやろうけど、それとはまた違う…守りたい、大切な人がいる男の顔をしている。」
母は、私の頭を撫でながら言いました。
「昴。立派になったなぁ…!」
「母さん…。」
紗和さんへの思いが、私を成長させてくれていたのですね。
米田くんは、優しいけれど、少し寂しそうな目で、私達を見ていました。
「だから、お前も優しくてええ奴なんやな。」
「優しい…かな?」
「優しいよ。優しくて、強い。」
私からすると、米田くんの方が優しくて強いと思うのですが…。
でも、自分の事は自分では分からないし
優しいと言ってくれるのは、素直に嬉しいです。
「ご飯出来たで。」
「お待たせ!!」
久し振りの母の料理。
いつも少ない食料で、いかに美味しく
空腹を満たせるかを考えてくれている料理。
今日は私の久し振りの帰省や、ご近所さんからのお裾分けもあったので、
豪華な食卓になっています。
「「いただきます!!」」
「んっ、うま!!」
米田くんも気に入ってくれたみたいで、
とても嬉しいです。
「めちゃくちゃ美味しいです!!」
「お代わりあるから、沢山食べて頂戴ね。」
「「ご馳走様でした!!」」
沢山あった料理は、綺麗に無くなりました。
「すみません。こんな食料不足のご時世に、沢山ご馳走して頂いて…。」
「気にせんとって。気持ち良い食べっぷりを見せてくれて、おばちゃん嬉しいわぁ。」
晴子もにこにこしています。
◇
「それじゃあ昴。後で三宮で合流しような。」
「うん。」
私は実家で2泊し、それから三宮で1泊する事になりました。
「おばさん、晴子ちゃん、今日は本当にありがとうございました。」
「こちらこそ。」
「米田さん!」
晴子が米田くんに何かを渡しました。
「これ…良かったら!!」
「!」
晴子が米田くんに渡したのは、腕輪でした。
「ありがとう晴子ちゃん。
大切にする。」
晴子は顔を赤らめて微笑んでいました。
◇
晴子は先に眠りにつき、私は母とのんびり過ごしていました。
「昴、あんたもしかして恋してるん?」
「!!!?」
紗和さんの事は何も話していないのに
言い当てられて、心臓が飛び出そうな程驚きました。
「なっ、何で分かったん!!?」
「そりゃあ母親やもん。
息子の変化にはすぐに気付くわ。」
「変化?」
「顔付きが全然違う。
軍隊で厳しい訓練をして来たんやろうけど、それとはまた違う…守りたい、大切な人がいる男の顔をしている。」
母は、私の頭を撫でながら言いました。
「昴。立派になったなぁ…!」
「母さん…。」
紗和さんへの思いが、私を成長させてくれていたのですね。