第18話

文字数 924文字

1942年6月5日から6月7日にかけて
ミッドウェー島周辺で行われた
日本海軍とアメリカ海軍による海戦
“ミッドウェー海戦”
太平洋戦争の戦局が変わるきっかけとなった戦いです。

私の初めての戦いです。

白川くんも、この戦闘に参加する事になりました。
米田くんと長谷川くんは、別の場所で任務がある為、この戦闘には参加しませんでした。

「「行ってきます。」」

白川くんと、最後に2人に会いに行きました。

「......」
「俺達も、任務を全うする。
お互い頑張ろう。」

長谷川くんの敬礼に、私と白川くんは答礼しました。

「昴!!稔!!」
「!!?」

突然米田くんが、私と白川くんの手を掴みました。

「絶対に...!ぜっったいに!!
帰って来いよ...!!!」
「......うん!」
「勿論だよ!」

私と白川くんも、米田くんの手を握り返します。
...正直に言うと、生きて帰って来れる自信はありませんでした。



私は戦闘機に乗る時、お守りとして
紗和さんが書いてくれた手紙と絵を1枚、
胸ポケットに忍ばせました。

「(紗和さん、どうか僕と一緒に戦って欲しい。)」

覚悟を決めて、私は離陸しました。



私の任務は、来襲する米軍機を撃つことでした。
先輩達に続き、敵の戦闘機を撃ちます。
いくら撃っても、相手は私よりも遥かに優秀なパイロット。
そう簡単に撃たれてはくれません。

「(クソッ...!!)」

味方の戦闘機は、何機か撃たれてしまいました。

「(何とか…、何とか戦闘機に傷だけでも付けなければ…!!)」

するとその時、低空飛行しながら逃げようとする米軍の戦闘機を見つけました。
私はその戦闘機を追い掛けました。

「行けぇえええ!!!!」

私は残りの弾数をその戦闘機に撃ちました。
爆撃をくらった戦闘機は、
海に突っ込みました。

「墜落した…!」

この時、少し気が緩んだのが間違いだったのだと思います。

「え」

後ろから、他の米軍戦闘機から、攻撃を受けました。
私が操縦していた戦闘機の一部が欠けました。

「(脱出しなくちゃ…!!)」

ですが、追撃を受け、急降下しました。

「(あぁ…僕、もう死ぬんや…)」

家族、友人の顔が頭に浮かびます。
最後に思い浮かべたのは、何よりも大切で大好きなあの人。

「紗和さん…!!」

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