第31話:釧路からドライブ1

文字数 1,539文字

 ここで、また父が志保さんに北海道の3大市場ってどこだか知ってるかと聞くと函館の朝市、札幌の二条市場だと答えて、その通りと言い、泰平より、よっぽど賢いと笑った。すると同じ質問を昔、自分の父に聞かれて覚えましたと答えた。店に入ると今日の昼は勝手丼を食べようと言い、和庄市場の総菜屋で白い御飯を買った次に海鮮の店で好きな材料を探し御飯の上にのせてもらい、お金を支払う。

 仕上げに丼の上から醤油をかけてもらい汁物、漬け物も同じ様に揃えるんだと言い、さっさと自分の勝手丼を探しに行った。奥さんの志保さんが何か楽しいねと義理の母の富さんに言うと、「あー見えても、お父さんは、意外に面白くて優しい人なんだよ」と言うと、「志保さんが、ごちそうさま」と言い返した。そうして、自分の好きな材料の海鮮丼をめいめい、楽しんだ。

そして、昼食を終え、釧路駅を見学して、近くのビッグ釧路駅前店へ入り買い物をした。現在、イオンと言ってるが、かつてのジャスコの格安スーパーがビッグと言って釧路地区にも多いと話し以前のジャスコは北海道と信州ジャスコなど地域で独立採算でやっていたのがイトーヨーカ堂に対抗してイオングループとなりダイエーも傘下に収めたと話した。

 その後、タクシーで釧路Pホテルに戻った。それから釧路Pホテルはマンスリー料金と言うのがあり朝食付きツイン1ケ月12万円だと言い、今日、先払いしてくれと言われ、お金を下ろしておけと言われ近くの銀行で下ろしてきた。その後、タクシーを呼んでPホテルに戻り父の他王川真一が、フロントの人に息子がツインをマンスリーで契約したいと言い泰平と2人で1ヶ月分12万円ずつ支払った。

 数日後、朝8時にフロントに集合してホテルを出発して11時前に摩周湖第一展望台に到着した。展望台の正面にカムイヌプリ・摩周岳、神秘の湖のえくぼカムイシュ島、遠くそびえる斜里岳など自然のあふれる景色を十分に味わうことができた。その後、30分位で摩周湖第三展望台に着き、摩周第一展望台とでは摩周湖の雰囲気が一変した。

 正面のカムイヌプリ「摩周岳」は険しい男性的な形となりカムイシュ島は間近に望め世界一の美しい水は絶壁の樹木を映して変化した。カムシュ島は摩周湖の唯一の島でカムイシュとはアイヌ語で「神となった老婆」を意味し見えている部分の大きさは約110メートル×40メートルで水面からの高さは30メートルだが、実は、この島、高さ約240メートルの火山の頂上部が、少しだけ水面上に顔を出している。

 摩周湖の中に硫黄山を少し小さくした様な火山が姿を隠しているのだから驚き。カムイシュ島の伝説について第一展望台の休憩所の人に聞くと昔、稚内のコタンの強い酋長が、だまし討ちにあい殺された。酋長の母は孫を抱き闇にまぎれて逃げた。しかし、老婆は山野を逃げまどう、うちに命より大切な孫を見失った。愛する孫をいく日も探し続けて摩周湖のほとりまで来た。

 老婆はカムイヌプリ「摩周岳の神」に一夜の宿をお願いすると快く引き受けてくれた。老婆はそのまま悲しみと疲労で動けず摩周湖の小島「カムイシュ島」になってしまいました。今でもこの島に人が行くと孫が来たのかと、うれし涙の雨や雪を降らせるという事です。この話を聞いた時、志保さんと富さんが目に涙を浮かべ泣いた。つられて徳川真一も泰平も思わず涙ぐんだ。

 そのカムイシュ島を間近に眺めると、また、再び、涙がこぼれ落ちるほど、素晴らしい景色に感動した。その後、昼食をとり、今度は、1時間かけて、屈斜路湖を一望できる藻琴山展望公園へ移動したが、空いていて、眼下に、屈斜路湖の全景が見えた。摩周湖と屈斜路湖を満喫して、帰路について、途中で休憩し、16時過ぎ、ホテルに到着した。
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