第40話:ラスベガスと東日本大震災と募金活動

文字数 1,600文字

大きなプールの上の会場でサーカスをしている感じで、中ブランコや、華麗な飛び込みコミカルなショー、華麗な団体でのアクロバットショーで時の経つのも忘れて楽しんだ。ただ飛び込む度に大きな水しぶきを上げるのでプールに一番近い席には大きなビニールシートが配られていた。多分日本だった2万円以上するチケットが、このホテルに泊まる客に優先的にそれも8千円と格安で手に入った。

 シルクドソレイユのショーを見て興奮したので近くのレストランでワインやビールを飲んで、今日のショーやラスベガスで見学した所の話を1時間ほどして22時過ぎに部屋に帰り床についた。いよいよ明日がラスベガス最終日となった。翌日は朝9時に起きて志保さんと泰平は少し、酒が残っていたので太陽が完全に上がった10時半から近くのウインホテルのゴルフ場の回りを散歩することにした。

 緑のゴルフ場の回りをゆっくりと疲れたらベンチに座って休みながら散歩を終えると昼近くなりウインホテルで昼食をとってから部屋に戻って仮眠して夜のショーにそなえた。その後、午後18時~21時までベッドミドラーの歌謡ショーを徒歩15分離れた会場へ行き席に着くと、胸の高鳴りを覚えた。やがてショーが始まり聞いたことのある曲が聞こえ思わずリズムをとった。

 最後、近くなって志保さんの一番好きなローズを歌い出すと志保さんが、あまりの感動に涙ぐんでいた。ローズと言えばベッドミドラーの歌を代表する歌であり泰平も大好きで歌詞を全て、日本語に訳したほどだった。この歌ローズは「ローズ」という同名の映画の主題歌だ。ジャニス・ジョップリンと言えばベトナム戦時中の60年代、アメリカを舞台に酒と麻薬に溺れながらも歌いつづけた女性ロック・シンガー、

「ローズ」の愛と激情の人生を描いているもので結婚後、そのDVDを買って何回も見て見る度に涙が止まらなくなる2人の大好きな作品だった。ちなみにジャニス・ジョップリンで一番好きな曲は「ムーブオーバー」「サマータイム」。ローズを聞いてると、その映画とサマータイムの音楽が思い出され、2人共、最後は涙で、ぐしょ、ぐしょになりながらベッドミドラーのステージを最後まで目を離さずに聞いていた。

 ホテルに帰る途中、2人はホテルのバーで青春時代の想い出を話しながら酒を飲んで珍しく、酔っ払ってホテルの部屋にたどり着き爆睡した。翌朝は10時に起きて帰りの支度をして昼食をとりに行き今晩19時にホテルをチェックアウトして23時ラスベガス発の5時過ぎ、仁川到着し、7時半の成田行きで、成田到着が、2010年12月19日、10時となった。

 やがて、2010年が終わり2011年を迎えた。2011年の正月、徳川泰平が、実家の両親に新年の挨拶に行くと元気に人生を楽しんでいると言った。夏の釧路、冬の沖縄、長期滞在で知り合った同年配の仲間が増えて東京に遊びに来る時には泊めてやったり東京、横浜の案内をして、楽しくやっていると言った。その後、冬の寒さをじっとこらえて自宅でエアコンをかけて、コタツに入り過ごしていた。

 2月が終わり春の訪れを心待ちにしていた、2011年3月11日14時47分、突如、大きな揺れを感じ義理の両親と泰平夫婦と長女の一美が庭に出た。少しして揺れが収まったが電気、ガス、水道が止まった。しばらくして電気が戻りテレビをつけると仙台空港にどす黒い海水が流入していくのが見えて多くの人が不安げに空港屋上に避難してる姿が映し出されて大変なことが起きとわかった。

 また、他のチャンネルでは洪水に流される家が映し出され夜にはコンビナートから炎が上がっている光景が映り、どうしようもない、やるせない気持ちに落ち込んだ。幸いにも家の中の食器タンス、タンス、本棚が崩れ落ちることはなかったが首都圏の道路、交通網が機能麻痺になり、仕事を終えた人達が、大きな国道を歩く姿が放映された。
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