第37話:フンシャル花祭りと一美の同棲

文字数 1,538文字

 予定の無い日は、午後からモンテに出かけたり町一番の目貫通りの店に3日間も通った。スーパーで買い物をして自炊、気に入ったBARでランチしたり、日本では見かけなくなった生地屋さんや手芸材料を売る店も多くて縫物をしたりして長い様で短い1週間だった。マデイラ島は自然にも恵まれて海や山の色々な楽しみ方がある。

 20代に戻れたら月桂樹の森を歩いたりヨットやクルーズ、釣りなども楽しんでみたかった。この島内ツアーはホテルで教えてもらった有名なタクシーを教えてくれ素敵な島内観光が実現した。シュガケイン、サトウキビから作るラム酒もこの島の産業だ。ラム酒工場の前にも入り江と切り立った断崖があった。

 リベイロフリオに向かうと曇ってきた。屋久島の様な天候なので山頂は曇りや風が強い。観光名所ばかり島の中央から左右の海が眺めら、この季節は山が黄色に覆われるそうです。最初に向かったのがジオラン岬展望台に到着して建物先の方へ行くとガラスの床の下は530mジラオン岬、何ともスリリングな景色だ。ポルト・モニスという海岸では温暖な島なのにポルトニモスは外海のせいか波が荒く泳げない。

  ケーブルカーでないと行けないキンタ・グランデ切り立った崖をケーブルカーで下った所にあるホテルとレストラン。その後のそのレストランでの昼食は月桂樹の枝に挿した牛肉の串焼きを食べたが美味しい。また名物のクロタチウオも身が厚くて美味しい。こんな海と農園の中の外界から隔離されたホテルに滞在してみたいと思った。キンタグランデ、地元をよく知った方だから案内してくれったのだろう。

 キンタ・グランデの農園の中、美しく厳しい海岸線。翌日、出かけたモンテの教会。モンテの教会の上まで上がったら海が見えた。その後、タクシーでトボガンを後ろから追いかけた。ホテルで自炊、この日はステーキに蛸サラダ。まさかキッツチンがついているとは思いもよらず、長く宿泊した。5月11日、マデイラは今日までで12時のリスボン行きの飛行機に乗りリスボンに戻った。

 2日ほどリスボンの名所を回りフランクフルト経由で日本へ帰った。義理の母の茜さんが、このマディラ島のフンシャルが大好きになり、また死ぬまでに、もう一度、今度は、もっと長い間、出来たら1週間位、滞在したいと言った。あんなに、きれいな花が咲き乱れて美しい海に囲まれた桃源郷、ユートピア、理想郷。それが、この世の中に存在するとは信じられないと興奮したように語った。それが泰平と志保さんにとって驚きだった。

 2009年6月21日、家に帰ってきた、長女の一美が、ちょっと、お話があると言い泰平と志保さんに来月、家を出て土日に英会話教室をやっている矢島泰造さんと言う、同じ上智大学英文科の1つ上の先輩と同棲して時期が来たら結婚したいと言った。それを聞いた志保さんが良かったわねと言い一度、実家にも連れてきて紹介して欲しいというと結婚が決まったら、そうします答えた。

 その後、7月1日に家を出ると言った。泰平が経済的に大丈夫なのかと聞くと一番問題は、その問題で、会社勤めをした事がないので彼は貯金も少なく家庭教師と土日の英会話教室で年収が3~400万円で実家に住んでるから問題ないけれど7月から月6万円のアパートに住んで、家を出るので、それが一番心配だと言った。一美の収入と合計しても600万円前後だと言った。

 食べれないことはないが子供が出来たら厳しいかも知れないと言った。でも挑戦して頑張ってみるのも良い人生経験かも知れないと志保さんが言った。その後、結婚するために、現在、時間が空くと、英語の翻訳、通訳、手紙のやりとりなど出来ると言うことで、多くの企業へ行き、新しく就職活動を始めたと教えてくれた。
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