第5話:志保さんと結婚と未来へ

文字数 1,661文字

 そして、12月24日のクリスマス・イブの日に、泰平は、志保さんに、結婚を前提に付き合って欲しいと話すと、志保さんが、私で良いのですかと言い、その話を受諾してくれた。一方、株投資の方では、1976年10月頃から、ソニー株が、下げてきたので、毎日、株価をチェックし始めた。

 そして12月になりソニー株を買うために定額貯金を全額解約すると240万円になり残金60万円と合わせて300万円となった。正月、泰平は志保さんと初詣に出かけ1997年中に結婚したいと話すと志保さんは、顔を赤らめて私で本当に良いのと聞いた。そこで泰平がもちろんと言い、春、暖かくなる4月下旬にしたいと言うと、わかりましたと言い結婚が決まった。

 やがて、1978年を迎えて、ソニー株が、700円を切ってきたので、下値を650~600円と考え、625円で、買い指値をして、そして、1978年1月12日に625円で400株250万円で買い、残金が50万円となった。泰平が結婚の話を自分の両親に言うとめでたいと喜んでくれた。その翌日、志保さんの実家を訪ねて、結婚の話をすると喜んでくれた。

 その後、1978年4月26日に立川の諏訪神社で神前結婚式をする事を泰平と志保さんで決めて、結婚の案内状を招待予定者に郵送した。泰平が家に帰ると新婚旅行はと聞かれて、とりあえず、結婚式の直ぐ後では、お金が足らないから自分達のお金が出来てからにすると言うと、わかったと納得してくれた。

 やがて冬から春、4月26日の結婚式の日となり神前結婚式の12名と披露宴の38名がそろい、晴天で暖かい日に結婚式をあげることが出来た。特に立川の実家の徳川家の親戚連中が、泰平と志保さんに子供をたくさん作って下さいねと言われ2人とも真っ赤になって恥ずかしがり、泰平が、こればかりは、神の思し召しなので約束は出来ませんが頑張りますとだけ答えた。

 結婚式を終えて、泰平と志保さんは泰平の実家の離れの2部屋を改修し、住むことになった。1978年結婚式を終えてゴールデンウイークが始まり、休みの日が続いた。翌日1978年5月4日は、いつも通り自転車で近くの埼玉銀行に行き、働き、帰って来る。そんな日が、ずーっと続き、梅雨が明け、1974年7月が過ぎて、8月のお盆休みになった。

 毎年8月13~15日が休みと決まっていた。9月になり24日の晩、ただ何となく変な予感に誘われて、以前、過去へ飛んだ東京駅へ導かれるよ様にして出かけ銀座の街を歩いた。喫茶連に入り苺の乗ったケーキにかぶりついた。そして席の回りのカップルを眺めていた。すると何か切ない気持ちになって無性に自宅に帰りたくなり東京駅へ向かった。

 何故か頭の中が混乱して無性にイライラして早足で歩くと、また以前見たような光景が目に入った。そう壁の不自然な割れ目である。まるで引力に引かれるように、そこへ向かうが、周りの人には、見えないのか全く、その壁の割れ目を意識している人がいないのだ。もしかして、他の人には見えないのかもと思って歩を進めると急に頭痛がひどくなり、意識が薄れた。

 そして、目の前の壁の割れ目に行き、その後、全く、意識を失ってしまった。随分と時間が経った気がした頃、倒れている自分の周りで人の声がして大丈夫かと聞こえた。目を覚ますと5~6人の男性と駅の職員が上から倒れてる自分を見て、おいしっかりしろと軽く頬をたたいた。意識が戻り大丈夫ですと答えた。

「その人が冗談じゃ無いよ電車のホームに飛び降りるなんて、どうかしてると言った」
「事務所まで来いと怒鳴られ連れて行かれた。そこで、何故、ホームに降りたのかと厳しい口調で詰問されたが覚えてませんとしか言えませんというと、めまい発作か何か病気を持ってるのかと聞かれ、そうかも知れませんと答えた。

 以前もこんな経験あるのかと聞かれ、1度だけありましたと答えると、そうかと急に優しい声になり、病気か、それなら仕方ない、でも、きちんと病院へ行って直してもらわないと、まずいぞと言われて、解放された。
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