第21話:一美が米国で起業とSTバンクの日本撤退

文字数 1,647文字

 2005年3月10日、高田善平さんから電話で相談があると言い高田さんの家に来て欲しいと言うので出かけてノックをして応接間に上がった。すると須賀川治と須賀川肇さん親子が来ていてシティバンクについて聞きたいと言った。高田善平さんが須賀川治と須賀川肇さんを紹介してくれた。須賀川さんもシティバンクに口座を作りたいと言い紹介して欲しいと言った。

 高田さんが購入したM社のヘッジファンドに興味があり、かなりの金額を投資したいと考えているのだが、どう思うと聞かれた。すると徳川泰平が、具体的に何を聞きたいのですかと質問すると今後、投資するのにふさわしいかどうかと言う事だと聞くので、そんな事はわかりませんと答えると私どもで調べて見ると間違いなく世界でもトップクラスの実績を持つ一流の会社だと、わかっていると語った。

 しかし、基本的に日本の大蔵省が日本に入れたがっていないと言う情報が入っていると、言うのだ。今迄、公明正大に形で、M社のファンドは、日本で買えなくて、香港やシンガポールの代理人に手数料を払って、交渉して、売り買いしているのが、現状で、その代理人とのトラブルがあったり、日本の税務当局が、香港、シンガポールで網張っていて、脱税で、多額の追徴課税を取られるケースもある様だと言った。

 それだけ御存知だったら、ご自分で判断された方が間違いないのではと言うと、それはわかっているのだが、そこで困っているのだと言った。では私の勝手な個人的な意見として申し上げるならば、やめた方が良いと言った。その理由はシティバンクの6回の勉強会を聞いて感じたのだが紳士的に、ゆっくり、やさしく説明して投資商品を宣伝をしている。

 しかし、投資意欲を、刺激する上手い宣伝で多分、お金が、有り余っている人なら、その虚栄心をくすぐられる。1口、3百万円とか、5百万円などの投資商品を上手に買わせていたが、私は、ちょっと待てと考えリスクの説明が以上に少ないと感じて手出ししていないと答えた。何故と言われると単なる私の勘というのが本音ですと言った。

 すると年輩の須賀川肇さんが、やはり、そうかと言うと、実は、大蔵省の官僚や政治家を何人も知っていて、政治献金もしているが、そのつてで、話を聞くと、STバンクが日本で行っている、投資商品の勧誘に問題があり、近々、手入れが入ると聞いていると言った。それを聞いた、高田善平さんが、そりゃまずいと言った。

 一緒にいた徳川様からも言ってやって下さいと助けを求める始末に徳川泰平が、にこやかに、しかし、はっきりと私はもう6回以上も勉強会に参加したが、確かに上手な説明であるがリスクの説明が少なすぎると感じたと語った。契約の時にも富裕層の虚栄心をあおるような感じて、もう10名のお客さんが、申しもまれています。それだけ人気がある証拠ですねとか、投資商品を売るための、あおり行為だと言い切った。

 日本では灰色というよりは限りなく黒に近いと言わざるを得ないと言った。その話を聞いて、彼ら3人が、ひるんだ。その後、だってN社は日本の大手金融機関が以前の不祥事で引き取り手がないからシティバンクが買収したのでしょうとまで言った。すると支店長を呼んで来いと言った。そして、高田善平さんに勝ち目はありません。

 悪いことは言わないから3億2千万円で引き下がるしかないと伝えた。これ以上、長く、ほおっておく方が危険になると忠告すると仕方ないかと言って事務員の屈強そうな男を呼び書類にサインするからファンドの解約書類を出せというと差し出した。そこで高田善平さんに言って書いてもらい解約の手続きが終了した。

 そこへ大手町支店の支店長が、にやけた顔で出て来た。そして、お客様、ここは選りすぐられたゴールドのお客様専用のフロアーですから、落ち着いて下さいと言った。すると事務の男性が、ファンドの契約をもらったから用済みですと言った。大手町支店の支店長が、事務員に向かって、何だ、その口の利き方は、お客様に謝れと言った。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み