第32話:釧路からのドライブ2

文字数 1,629文字

 その翌週、朝6時に、ホテルを出て泰平が、ひたすら走り途中、トイレ休憩を入れて10時に帯広に到着し真鍋庭園をたずねた。ここは日本初の針葉樹ガーデン。「ヨーロッパガーデン」「日本庭園」「風景式庭園」3つのテーマガーデンで、構成され、樹木メインの植物園のようなシックな庭園を楽しめる。園内には、庭を駆けていく愛らしいエゾリスの姿も見られる。

 庭園は、針葉樹が主役のシックな回遊式ガーデン。数千種に及ぶ植物にあふれる散策路は、こんなに多様な"緑"があるのかと感心してしまうほど。季節ごとの色あいを楽しみながら優雅な森林浴を。ウェルカムアーチをくぐって散策スタート! 植物の香りがお出迎え。真鍋庭園の広さは何と2万5千坪と日本最大級。「エゾリス」「キタキツネ」「ノウサギ」と名付けられた3つのコースが用意されている。

 日本庭園の滝水音に立ち止まると清らかな滝が流れていた。地下約350mから自噴する水温14度の泉水が、庭中の池水を潤す。どのコースも、まず最初に通るのは北海道内では珍しい日本庭園。自然と歩調はゆっくりになり雅楽が響きそうな趣があります。 庭園内に厳かな様相で佇む「真正閣」しんしょうかくは、先々代の真鍋正明の名前にちなんで命名された建造物。

 元々は1911年に当時の皇太子が北海道行啓を行うため帯広市中心部に建築された御在所でした。日本庭園の風物詩ともいえるニシキゴイが泳ぐ「鯉の池」地下水が循環することによって、真冬でも氷が張ることはない。 日本庭園のコイ、人懐っこいコイたちは池のほとりに立つと集まってきてかわいい。すぐ近くに餌の自動販売機があるので、餌やり体験も楽しめます。

 1200mの「キタキツネコース45分目安」、1500mメートルの「ノウサギコース60分目安」の3コース。受付時に手渡されるマップには、どのコースに何があるのかが記されています。時間や体力、好みに合わせて選べるのがうれしい。帯広と言えば十勝豚丼、その中でも、「十勝豚丼 いっぴん」北海道では有名なタレメーカー「ソラチ」が経営する豚丼専門店。

 帯広地方の豚丼は本州の豚丼と違い主に厚めのロース、ばら肉を使った郷土料理。ここでは道産豚を主原料とした国産の厳選豚本ロースを使用してる。ご飯、肉の量、お肉をカットする大きさやタレの濃さを選べる。豚肉は注文してから炭火で焼き、たれを絡ませ、さらに焼くという事を繰り返えす。アツアツのご飯の上に乗っけられた厚切りロース。炭火の香りに負けない謹製タレの旨みとお肉本来の旨み。

 そして柔らかさは食べないとわからない感動。確かに、旨い、内地では、味わえなというのは、本当だ。徳川真一が泰平に、他にどこへ行きたいと言うので、ばんえい十勝 帯広競馬場と言った。ここは、日本で、世界で唯一残る「ばんえい競馬場」一般の競馬と違い元は農耕用の体格の良い力持ちのばん馬によるレースはとても迫力がある。また重たいソリを引く為、見物客の私達も徒歩で平行移動しながら追いかけて応援できるのも魅力的。

競馬場自体は昭和の地方競馬の雰囲気を色濃く残しておりエレベーターなどは見当たりませんが、一階部分だけでも十分楽しめる。今や農耕にも必要とされず、ばんえい競馬のみが生き残る道となった。ばん馬達のためにも少しでもお金を落としたり周囲に宣伝すべきと考えた。そして、この伝統文化を残して欲しいものだと泰平は思い心の中で「ばん馬達よ頑張れ」と競馬ファンではないが思わず、その馬たちのひたむきさに心を打たれた。

 そうして15時過ぎに帯広、十勝を後にして車をぶっ飛ばし18時過ぎに釧路Pホテルに戻って来た。そうして気のせいか、8月15日、お盆を過ぎて朝晩、急に冷えてきた様な気がした。徳川泰平と志保さんが、8月21日、釧路空港を経ち、羽田空港に戻ってきて、いつもの生活に戻った。帰ってくると今年は、関東でも涼しく秋の訪れが早いのかも知れないと感じた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み