第24話:須賀川肇さんの慈善事業を泰平が継続2

文字数 1,680文字

 この話を聞いて志保さんが、わかりました。それでは全面的に私たち徳川泰平と志保で運営していきますから安心して下さいと、まるで須賀川治の顔を蔑むかの様に見ると、須賀川治が、それを察知しかのように顔を赤らめて勝手にして下さいと言って席を立って出て言った。これを見ていた父の須賀川肇さんが「すみません、こんな駄目な男に育ててしまってと言った」

「実は、彼の母は彼が幼い時、不治の病「ガン」にかかった」
「私が猛烈に仕事していて2人とも見てやる暇がなかった」
「金だけ稼げば。家族は。幸せだろうと勝手に考えて家庭を顧みず仕事をしていた」
「そのため、愛情に飢えたのかもしれない」

「その後、私に反発する様になり、ひねた子供になってしまったと告げた」
「全部、私が悪いと泣き出した」
「それを見ていた志保さんが、そんな事ない」
「昔は食うにも困って道ばたで多くの日本人が飢えて死んだ時代です」

「そんな時代、身を粉にして、お金を稼ぐって立派ですわ」
「全く卑下する必要なんてありませんと大きな声で言った」
「泰平が結婚して、こんな気丈な事を言う、志保さんを見るのは、初めてだった」
「この話を聞き、須賀川肇さんが、これで安心して、事業の継続が出来ると号泣した」

「その光景を見て志保さんが人間って、本当にどん底におちても、這い上がる人」
「もっと、落ちて飢えて死ぬ人」
「さらに自分が飢えない様に、他人を犠牲にしても生き延びる人にわかれるのね」
「須賀川肇さんと泰平さんは這い上がる人で良かった」と述べた。

「残念ながら息子さんの治さんは一番最後の最悪な人ねと、さらっと言ってのけた」
「でも須賀川肇さんも泰平さんも、どん底から這い上がる時の苦労を身にしみ知ってる」
「だから、その苦労を身内にさせたくないという優しさがある人何だわと話した」
「本当に苦労した人でないと、きっと、この気持ちわからない」

「そういう人の情のわからない甘えん坊さんの子供が増えて来るのは困りますねと言った」
「こんな話をして長い時間が経った」
「本当に今日はありがとうございましたと須賀川肇さんが言った」
「そして、食事代を全部、支払いしてくれた」
「今後とも、この慈善事業を継続をお願いしましたよと依頼した」

「すると志保さんが頑張ってやりますから、ご安心下さいと答えた」
「それを見て徳川泰平さんもすごい人だと思った」
「でも、奥さんの志保さんは、もっとすごい」
「そして優しい人だと彼女の手を握って深々と頭を下げた」
「顔を上げると涙が、あふれていて3人とも涙をふきながら店を出た」

「泰平が、志保さんに君が、こんなにしっかりした気持ちの持ち主だとは知らなかった」
「もう一度、惚れ直したと言うと、志保さんが、泰平さん、あなたは、本当に幸せ者よ」
「だって、私と結婚できてと笑い、突然、泰平に抱き付いてきた」
「よせよ、恥ずかしいじゃないかと、泰平が、照れ笑いをして家に帰った」

 その後、2006年1月から慈善事業の正式名称を「肇の一歩」と命名して、再出発することにして電話の応答の経験者でインターネット通信、スカイプ、ホームページの維持、管理が出来る人で、自宅での仕事を希望する女性を月11万円の給料で事務員を募集すると15人から応募の電話が入り面会して衣川幸恵さんを採用した。「肇の一歩」の事務局として夏休み、冬休み、GW、正月、有給休暇あり。

 土日以外の9時から17時まで電話応対の仕事をしてもらい、急を要する用件は、泰平か志保さんに電話し、相談。その他、連絡内容をインターネットメールで、毎日、送ることとした。泰平が投資の成功で資産が出来たので、何がしたいかと、隣に住む、志保さんの両親に聞くと、義理の母の茜さんが、私はリウマチの痛みから解放されたいねと言った。

 でも、病気が直れば、良いが、そうは簡単にいかないし、平和で、ゆっくりと暮らしたいだけよと言った。義理の父に聞くと、もう年だから長い時間をかけて遠くへ行くのもしんどいから、茜さんと出来るだけ一緒に長生きしたいもんだと言い放った。最後に、さして、これと言って欲しいものはないと言った。
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