第39話 再び白い空間に

文字数 1,027文字

 商業ギルドでかなり頭を使ったのですっかり疲れた俺は、宿の食堂で豚肉ソテーとワインの夕食を食べて、直ぐにベッドに入り、寝入ってしまった。するといつの間にか、また、あの白い空間に横たわっていた。

 重厚なエコーの声が響く。
 
 「♪ホアンホアンホワーン♪、久しぶりじゃの。​​さすがにいつまでも全く音沙汰なしとはいかんじゃろうから、少しヒントを与えようと思っての。」

 とじいさんの声。

 「ポイント、すなわち経験値のことじゃ。これはおまえの前の世界でのマイレージというものに少し似ている。一つには累積経験値じゃ。魔物などを斃していくとその度にポイントが貯まるが、その累積の値によってステイタスに繋がるのじゃ。何千ポイントとかの区切りでその内にお告げがあるじゃろう。ただし、かなり先のことじゃがの。

 累積ポイントでのステイタスにはかなり重要な特典が付随しておる。楽しみにしておくのじゃな。ちなみに一つだけ教えてやるが、ラウンジ(結界)の会得もどこかの区切りにはあるじゃろう。」

 じいさんの声は重々しく続く。

 「次はポイント自体の使い方じゃ。これもマイレージの使い方と似ておる。いくつかポイントが貯まると、それを使って対価を得られるのじゃ。細かくは言わんが、大きく分けて二つ。

 一つはスキル補助じゃ。スキルの機能向上なのじゃ。例えば、収納でいうと、今は時間停止や無生物限定などの条件が全体についておる。しかし、これは本来、パーティションで分けられているものなのじゃ。限定範囲で時間を経過させて醸造させたり、発酵させたりすることが、スキル補助を使うとできるのじゃ。
 
 また、全く新しいスキルを得られることもあるが、よいものもつまらんものもあり玉石混交じゃ。

 もう一つは魔道具・ポーションなどの使い捨てのものじゃ。例えば、回復ポーションなどが得られるのじゃ。

 ただし、タイミングの問題がある。いつでもこれらは得られる訳ではない。スキル補助も魔道具も複数の世界全体の在庫が関係するのじゃ。したがって、一定期間にガチャやお神籤のような形でいくつかの選択肢がお前には提示される。その時にポイントが足りていれば、得られることになるのじゃ。これはそんなに先のことではなく、近い内にわかるじゃろう。それではの〜。♪ホアンホアンホアーン♪。」

 また、わけがわからないことをいわれて終わってしまった。しかしラウンジってなんだろう、空港じゃあるまいしな。ふっと、目が覚めると朝が来ていた。


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