第18話 武具店
文字数 1,478文字
食事を済ませた俺は、商店街の並びの武具店に行ってみることにした。元々キャンプ用として持っているナイフはアメリカ、カンザス州老舗ブランドのフォールディングナイフ。100年以上も続いているメーカーのものだ。
通販でスタイルが気に入って購入したものでそんなに高いものではない。実際に手にしてみると柄は黒檀と真鍮製らしくずっしりと重くて、切れ味はとても良い。刃はステンレス鋼なので錆びにくいしキャンプにはもってこいだった。
しかし、こちらに来て、魔獣と戦うには小振りだし、また、新しく入手した切断の武具は片手剣で1m近くもあり、家や洞窟などの中で使うには長過ぎる。手頃なサイズの武具が欲しいところだ。
武具店の店主はヨアヒム、ドワーフ族らしく身長は低いがビア樽のような体型。いかつい顔で髭もじゃだが、目つきは鋭い。話しかけたが、ろくに返事もしない。仕方がないのでここはドワーフへの常道として、持っていたナイフをちらつかせてみた。
「なっ、なんじゃ、そのナイフは!薄いが硬そうだの。」
ヨアヒムはすごい勢いで喰いついてきた。目はナイフから離れないで凝視している。あまりに懇願されたので、カウンター越しに手渡してやった。
「ふぉー、これはすごい!見たことのない材質じゃ、素材はなんなんじゃ?
この刃先の研ぎ具合はこれまたすごい!」
ヨアヒムはすっかりナイフに没頭している。使っても錆びないこと、時々研ぎが必要だが砥石かシャープナーを使うと簡単に研げることを教えてやった。
「たっ頼む!このナイフを譲ってくれんか?同じものを作れるかは判らんが、調べてみたいんじゃ。代わりにこの店のものなら何でも持っていってよい。」
すっかり本気モードになっている。ナイフは一本しかないので譲れないが、鋼のことは少し知っているから教えてもよいと話した。するとヨアヒムは、
「そのような貴重な話、頼むから教えてくれ!武具は何でも譲るから。」
俺は、ナイフの材質がハガネ(炭素鋼)と10%以上のクロムの合金であることを話した。クロムのお陰で表面に耐食性のある被膜ができるので錆びにくいようなのだ。昔の学校の授業ではここまで教えてくれたのだ、もちろん詳しいことは判らないのであらましだけ。それでもヨアヒムにはピンときたようで、目つきがすっかり変わっている。
お礼に何でも好きなものを選んでくれというので、70cm 程のファルシオンを一本貰うことにした。片刃剣だが、鎌のように刃先が広がっており持ってみるとずっしりと重さはある。
「ほう、よくこれを選んだな。そいつは鋼製だが、うちの中でも一番出来栄えのいいやつじゃ。」
剣をナイフの話だけで貰ってしまったので少し申し訳ない気がした。そういえばドワーフは酒好きだったなと元の世界のラノベの記憶を思い出した。収納に入れていた焼酎の小瓶を取り出した。芋焼酎のかなり香りが強い奴だ。
ヨアヒムは、驚いた顔をしたが、すぐに小瓶の蓋を開けると試し飲み。
「こっ、これはっ!なんの酒じゃ。ビールでもワインでもない。この酒精の強さはなんじゃ!それとこの臭い、強烈な香りじゃ。この酒は、どこで手に入るんじゃ! 頼む!頼むから教えてくれい!」
また喰いついてきた。今度はさらに真剣な目つきをしている。絶対に逃さないというような気合いを感じてしまう。ヨアヒムは俺を友人の酒蔵のところへ連れて行くと言い張った。
結局、ヨアヒムの友人の酒蔵の主人となぜか鍛治ギルド長とに会うことになってしまった。お酒のことは酒蔵の主人と、加えて新素材のことはギルド長を混ぜて相談するというのだ。
通販でスタイルが気に入って購入したものでそんなに高いものではない。実際に手にしてみると柄は黒檀と真鍮製らしくずっしりと重くて、切れ味はとても良い。刃はステンレス鋼なので錆びにくいしキャンプにはもってこいだった。
しかし、こちらに来て、魔獣と戦うには小振りだし、また、新しく入手した切断の武具は片手剣で1m近くもあり、家や洞窟などの中で使うには長過ぎる。手頃なサイズの武具が欲しいところだ。
武具店の店主はヨアヒム、ドワーフ族らしく身長は低いがビア樽のような体型。いかつい顔で髭もじゃだが、目つきは鋭い。話しかけたが、ろくに返事もしない。仕方がないのでここはドワーフへの常道として、持っていたナイフをちらつかせてみた。
「なっ、なんじゃ、そのナイフは!薄いが硬そうだの。」
ヨアヒムはすごい勢いで喰いついてきた。目はナイフから離れないで凝視している。あまりに懇願されたので、カウンター越しに手渡してやった。
「ふぉー、これはすごい!見たことのない材質じゃ、素材はなんなんじゃ?
この刃先の研ぎ具合はこれまたすごい!」
ヨアヒムはすっかりナイフに没頭している。使っても錆びないこと、時々研ぎが必要だが砥石かシャープナーを使うと簡単に研げることを教えてやった。
「たっ頼む!このナイフを譲ってくれんか?同じものを作れるかは判らんが、調べてみたいんじゃ。代わりにこの店のものなら何でも持っていってよい。」
すっかり本気モードになっている。ナイフは一本しかないので譲れないが、鋼のことは少し知っているから教えてもよいと話した。するとヨアヒムは、
「そのような貴重な話、頼むから教えてくれ!武具は何でも譲るから。」
俺は、ナイフの材質がハガネ(炭素鋼)と10%以上のクロムの合金であることを話した。クロムのお陰で表面に耐食性のある被膜ができるので錆びにくいようなのだ。昔の学校の授業ではここまで教えてくれたのだ、もちろん詳しいことは判らないのであらましだけ。それでもヨアヒムにはピンときたようで、目つきがすっかり変わっている。
お礼に何でも好きなものを選んでくれというので、70cm 程のファルシオンを一本貰うことにした。片刃剣だが、鎌のように刃先が広がっており持ってみるとずっしりと重さはある。
「ほう、よくこれを選んだな。そいつは鋼製だが、うちの中でも一番出来栄えのいいやつじゃ。」
剣をナイフの話だけで貰ってしまったので少し申し訳ない気がした。そういえばドワーフは酒好きだったなと元の世界のラノベの記憶を思い出した。収納に入れていた焼酎の小瓶を取り出した。芋焼酎のかなり香りが強い奴だ。
ヨアヒムは、驚いた顔をしたが、すぐに小瓶の蓋を開けると試し飲み。
「こっ、これはっ!なんの酒じゃ。ビールでもワインでもない。この酒精の強さはなんじゃ!それとこの臭い、強烈な香りじゃ。この酒は、どこで手に入るんじゃ! 頼む!頼むから教えてくれい!」
また喰いついてきた。今度はさらに真剣な目つきをしている。絶対に逃さないというような気合いを感じてしまう。ヨアヒムは俺を友人の酒蔵のところへ連れて行くと言い張った。
結局、ヨアヒムの友人の酒蔵の主人となぜか鍛治ギルド長とに会うことになってしまった。お酒のことは酒蔵の主人と、加えて新素材のことはギルド長を混ぜて相談するというのだ。