第12話 城壁のある街(黄金の卵亭)
文字数 626文字
宿屋は先ほど通った商店通りにあった。
重厚な木造の2階屋であった。その中庭には馬屋と井戸、大きな木が中央に茂っておりその下にはベンチが設えてある。
エレインは俺を馬から降ろすと、少し名残惜しそうに何回かこちらを振りかえりながら帰っていった。
入り口の木の扉をくぐると右手にカウンターがあり、左手には食堂があった。カウンターに看板娘のような若い子がエプロン姿で迎えてくれた。猫獣人らしく、つぶらな目とツヤツヤな栗色の髪の毛と尖った耳が特徴的だ。スタイルも出るべきところはしっかりと出ている。胸の名札にはエンマと記されていた。
食堂で中年の女猫獣人が忙しそうに配膳の準備をしている。キッチンにいる男猫獣人とは今晩のメニューの話をしているようだ。朝夕付きで一泊6銀貨(=6千円)だった。収納には先程騎士爵から受け取った金貨の袋が入っている。見ると10銀貨が10枚、ざっと10万円だ。一週間分で42銀貨を前払いした。エンマから女将は母親のイルダ、シェフは父親のジーノと聞かされた。
鍵を貰って2階の部屋に入ると、ベッドと小さな机と椅子だけのこぢんまりとしたスペース。部屋の小さな開き窓からは商店通りが見下ろせる。トイレ・バスはついておらず、共用のトイレが廊下にあった。
俺は早速外出することにした。ギルドにいって、これから生活の糧を稼がなければならない。カウンターにいたエンマにウインクを一つしてから、鍵を預けるとポッと頬を赤めた。かなり純な性格のようだ。
重厚な木造の2階屋であった。その中庭には馬屋と井戸、大きな木が中央に茂っておりその下にはベンチが設えてある。
エレインは俺を馬から降ろすと、少し名残惜しそうに何回かこちらを振りかえりながら帰っていった。
入り口の木の扉をくぐると右手にカウンターがあり、左手には食堂があった。カウンターに看板娘のような若い子がエプロン姿で迎えてくれた。猫獣人らしく、つぶらな目とツヤツヤな栗色の髪の毛と尖った耳が特徴的だ。スタイルも出るべきところはしっかりと出ている。胸の名札にはエンマと記されていた。
食堂で中年の女猫獣人が忙しそうに配膳の準備をしている。キッチンにいる男猫獣人とは今晩のメニューの話をしているようだ。朝夕付きで一泊6銀貨(=6千円)だった。収納には先程騎士爵から受け取った金貨の袋が入っている。見ると10銀貨が10枚、ざっと10万円だ。一週間分で42銀貨を前払いした。エンマから女将は母親のイルダ、シェフは父親のジーノと聞かされた。
鍵を貰って2階の部屋に入ると、ベッドと小さな机と椅子だけのこぢんまりとしたスペース。部屋の小さな開き窓からは商店通りが見下ろせる。トイレ・バスはついておらず、共用のトイレが廊下にあった。
俺は早速外出することにした。ギルドにいって、これから生活の糧を稼がなければならない。カウンターにいたエンマにウインクを一つしてから、鍵を預けるとポッと頬を赤めた。かなり純な性格のようだ。