92日目

文字数 609文字

 今日は日曜日だ。

 また悠希さんが通っている教会のオンライン礼拝を見ていた。

 今日は悪魔の誘惑についての説教だった。
 悪魔の誘惑の手の混み方も話していたが、結局は自分に欲深さが原因になる事が多い。聖書を引用しながら牧師さんが説明していた。

 思い当たる節が多く、聞いていて居た堪れない。自分がスピリチュアルに騙されたのも完璧に自分のせいだった。

 また先祖のせいで呪われる事もないという。もちろん先祖からの負の遺産を受け継ぐが、実際罪を犯すには自分の自由意思。先祖の呪いを解くとかいうのは、カルトやスピリチュアル詐欺だから気をつけましょうという話だった。

 心当たりしかない。

 占いやスピリチュアルリーダーにメンタルブロックを解除してもらうのも、結局は自分の欲が発端だろうと気づく。

 欲の底には「自分は悪くない」というエゴがある。占い師やスピリチュアルリーダーは客が悪いとは絶対に言わない。いや、言えない。お金をもらっている以上、客の需要に応えるのが仕事だ。

 占いやスピリチュアルワークを受ける事は現実逃避だったのかもしれない。「自分は悪くない」というエンタメを楽しんでいるだけだった。

 そんな楽しみは一瞬。

 救われる事はない。

 一方聖書や牧師さんの説教は、耳の痛い事も言っていた。耳も心も痛いが、今の自分には必要かも知れない。

 甘いものばかり食べていたら病気になってしまう。塩分もしっかりとって栄養バランスを取らなければ。
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登場人物紹介

野瀬青花

崖っぷちアラサー女子。

ひょんなことからスピリチュアルに騙されてしまう。

悠希

カフェ店長でクリスチャン

佐伯さん

青花と同僚。女子力高めでスピリチュアル好きな主婦。

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