23日目
文字数 1,001文字
いよいよスピリチュアルリーダー蒼井アップル先生の個人セッションの日だ。
波動が下がると良くないので、ちゃんと部屋を掃除して、メイクや服装も気を遣ってセッションの時間を待った。
先生の声は意外とドスが効いていて、ちょっと男っぽかったので驚いたが、今は他に頼れる人もいない。
「では、野瀬さんの恋愛に関するメンタルブロックを解除しますわ」
しばらくウンウンと先生の唸り声が響いていたが、これでメンタルブロックが解除できると思うとホッとした。
「実は、野瀬さんの運命の人はいます。もう出会っているのですよ」
「え! 本当ですか」
思わず浮かれた声が出てしまった。
「でも、その為にはちょっと波動を調整しなければならないの。ローズクオーツっていうパワーストーンをつけると完璧なんだけどな」
「本当ですか」
私はその話に食いついた。
パワーストーンは5万円もした。安い金額ではない。
それでも、効果のあるあるパワーストーンの在庫が最後の一つだと焦らされた。
「買います!」
こうしてパワーストーンを購入した。さっそくメールで購入ページのURLが送られてきて、来週中には現物が届くらしい。
「他に何かやった方が良い事はありますか?」
「まあ、引き寄せの法則のワークは効果が低いから、少し休みましょう」
「え? 効果ないんですか」
あんなに頑張ってきたのに、効果が無いとはちょっと裏切られた気分だ。
「ああいったワークは大衆向けに薄めているものなのよ。全く効果が無いわけじゃないけどね」
先生は何がおかしいのかクスクス笑っていたが、筋は通っている。ネットで言われている健康法や美容法も人それぞれ合う合わないがあるだろう。とりあえず先生のアドバイスに従ってみる事にした。
「今から野瀬さんにピッタリのワークを教えてあげる。それを毎日やりましょう」
ワークは鏡の前にたって、自分を両腕で抱きしめる。それから「私は私を愛しています」と言うものだった。回数は朝と夜に言えばいいらしい。何回も言う必要がないので、これなら自分もできそうだった。
「私は私を愛しています」
セッションが終わったらさっそく唱えてみた。セッション中、なぜか電話が切れて通じないトラブルが起きたりしてちょっと疲れたが、気分は高揚していた。
白雪姫の意地悪な継母にでもなった気分もしたが、これが効果があると言うのなら試さない訳はない。
鏡よ、鏡。鏡さん。私を幸せにして下さい。
波動が下がると良くないので、ちゃんと部屋を掃除して、メイクや服装も気を遣ってセッションの時間を待った。
先生の声は意外とドスが効いていて、ちょっと男っぽかったので驚いたが、今は他に頼れる人もいない。
「では、野瀬さんの恋愛に関するメンタルブロックを解除しますわ」
しばらくウンウンと先生の唸り声が響いていたが、これでメンタルブロックが解除できると思うとホッとした。
「実は、野瀬さんの運命の人はいます。もう出会っているのですよ」
「え! 本当ですか」
思わず浮かれた声が出てしまった。
「でも、その為にはちょっと波動を調整しなければならないの。ローズクオーツっていうパワーストーンをつけると完璧なんだけどな」
「本当ですか」
私はその話に食いついた。
パワーストーンは5万円もした。安い金額ではない。
それでも、効果のあるあるパワーストーンの在庫が最後の一つだと焦らされた。
「買います!」
こうしてパワーストーンを購入した。さっそくメールで購入ページのURLが送られてきて、来週中には現物が届くらしい。
「他に何かやった方が良い事はありますか?」
「まあ、引き寄せの法則のワークは効果が低いから、少し休みましょう」
「え? 効果ないんですか」
あんなに頑張ってきたのに、効果が無いとはちょっと裏切られた気分だ。
「ああいったワークは大衆向けに薄めているものなのよ。全く効果が無いわけじゃないけどね」
先生は何がおかしいのかクスクス笑っていたが、筋は通っている。ネットで言われている健康法や美容法も人それぞれ合う合わないがあるだろう。とりあえず先生のアドバイスに従ってみる事にした。
「今から野瀬さんにピッタリのワークを教えてあげる。それを毎日やりましょう」
ワークは鏡の前にたって、自分を両腕で抱きしめる。それから「私は私を愛しています」と言うものだった。回数は朝と夜に言えばいいらしい。何回も言う必要がないので、これなら自分もできそうだった。
「私は私を愛しています」
セッションが終わったらさっそく唱えてみた。セッション中、なぜか電話が切れて通じないトラブルが起きたりしてちょっと疲れたが、気分は高揚していた。
白雪姫の意地悪な継母にでもなった気分もしたが、これが効果があると言うのなら試さない訳はない。
鏡よ、鏡。鏡さん。私を幸せにして下さい。
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