30日目
文字数 1,121文字
パワーストーンをつけて、鏡の前で自分を抱きしめて「私は私を愛しています」と言ってみた。
特に何も起こらず、再び具合が悪くなってきた。
気持ちが悪いのに、吐く事もできない状態がしばらくつづく。
昨日と同様にぐったりとしたまま1日を過ごす。
夕方になると少し良くなったが、冷蔵庫の中は何もない。近所のコンビニに行くことにした。
近所のコンビニでペットボトルの水やお茶をカゴに入れている時、悠希さんにあった。
しばらくあのカフェには行っていなかったので、私はすっかり彼の事を忘れていた。逆に悠希さんは、私の事を覚えていた。
しかも私の顔色をみて、なんだか心配してくれた。
「大丈夫?」
「夏バテかな。ちょっと最近気分が悪くてね。はは、歳かしら」
なぜかコンビニのイートインスペースで悠希さんと話していた。悠希さんは、コンビニのソフトクリームを買うと美味しそうに食べていた。なぜか私にも奢ってくれた。
確かに冷たくて甘いソフトクリームならお腹に収まった。
「そんな、野瀬さんは若いですよ」
「そうですかね」
この歳でまだまだ結婚もできず、非正規。金なし、コネなし、スキルなし。私に一体何があるというのだろう。波動が下がるような事もついつい思ってしまって、さらに嫌な気分になる。
「今日はお店は?」
「今日は日曜礼拝なんでお休みです」
「ふーん。毎週通ってるの? 十字架のネックレスとかあるの?」
「僕はプロテスタントなので、そう言ったものは使いません。マリア像もないです」
「へぇ」
別に悠希さんの信仰生活に一ミリも興味はなかったが、奢ってくれたから一応話を続けた。
ソフトクリームを食べ終えると、悠希さんは私ぼ左手首に気づいた。
「それ、パワーストーン?」
「うん。占い師から買ったの。五万で」
悠希さんは顔を顰めた。
明らかに嫌な気分になっているだろう。そういえばハリウッド映画で、クリスチャンが占い師に否定的だったシーンがあったのを思い出す。前も否定的な事を言っていた。
彼の目から私を見たら、実に滑稽な女だろう。ふとそんな事を思った。
「野瀬さんのために祈っていいですか?」
「は?」
私の許可を得るまでもなく、悠希さんは手を組んで目を閉じて祈り始めた。
近くに座っている高校生ぐらいの男の子達がからかいの声も上げていたが、無視して祈りつづけていた。
よっぽど私が占いに関わっている事が心配なのだろう。そんな気持ちが伝わってくる祈りの言葉だったが、私はどうすれば良いかわからない。戸惑ってしまった。
「アーメンって本当に言うんだね」
「いうよ、ハレルヤは滅多に言わないかな」
「ふーん」
祈られたからって何か変わるわけではないはずだ。実際、何も変わっていないように思えた。
特に何も起こらず、再び具合が悪くなってきた。
気持ちが悪いのに、吐く事もできない状態がしばらくつづく。
昨日と同様にぐったりとしたまま1日を過ごす。
夕方になると少し良くなったが、冷蔵庫の中は何もない。近所のコンビニに行くことにした。
近所のコンビニでペットボトルの水やお茶をカゴに入れている時、悠希さんにあった。
しばらくあのカフェには行っていなかったので、私はすっかり彼の事を忘れていた。逆に悠希さんは、私の事を覚えていた。
しかも私の顔色をみて、なんだか心配してくれた。
「大丈夫?」
「夏バテかな。ちょっと最近気分が悪くてね。はは、歳かしら」
なぜかコンビニのイートインスペースで悠希さんと話していた。悠希さんは、コンビニのソフトクリームを買うと美味しそうに食べていた。なぜか私にも奢ってくれた。
確かに冷たくて甘いソフトクリームならお腹に収まった。
「そんな、野瀬さんは若いですよ」
「そうですかね」
この歳でまだまだ結婚もできず、非正規。金なし、コネなし、スキルなし。私に一体何があるというのだろう。波動が下がるような事もついつい思ってしまって、さらに嫌な気分になる。
「今日はお店は?」
「今日は日曜礼拝なんでお休みです」
「ふーん。毎週通ってるの? 十字架のネックレスとかあるの?」
「僕はプロテスタントなので、そう言ったものは使いません。マリア像もないです」
「へぇ」
別に悠希さんの信仰生活に一ミリも興味はなかったが、奢ってくれたから一応話を続けた。
ソフトクリームを食べ終えると、悠希さんは私ぼ左手首に気づいた。
「それ、パワーストーン?」
「うん。占い師から買ったの。五万で」
悠希さんは顔を顰めた。
明らかに嫌な気分になっているだろう。そういえばハリウッド映画で、クリスチャンが占い師に否定的だったシーンがあったのを思い出す。前も否定的な事を言っていた。
彼の目から私を見たら、実に滑稽な女だろう。ふとそんな事を思った。
「野瀬さんのために祈っていいですか?」
「は?」
私の許可を得るまでもなく、悠希さんは手を組んで目を閉じて祈り始めた。
近くに座っている高校生ぐらいの男の子達がからかいの声も上げていたが、無視して祈りつづけていた。
よっぽど私が占いに関わっている事が心配なのだろう。そんな気持ちが伝わってくる祈りの言葉だったが、私はどうすれば良いかわからない。戸惑ってしまった。
「アーメンって本当に言うんだね」
「いうよ、ハレルヤは滅多に言わないかな」
「ふーん」
祈られたからって何か変わるわけではないはずだ。実際、何も変わっていないように思えた。
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