89日目

文字数 629文字

 今日は佐伯さんと一緒に昼ごはんを食べた。
 佐伯さんは手作り弁当で、なんとキャラ弁だった。

 おにぎりに目と鼻がついている。聞くとシマエナガという鳥らしい。

「息子にキャラ弁作ったついでに私のも作ってみたのよ」
「可愛いですね」

 一方私はコンビニで買ったサンドイッチとおにぎりで女子力の低さを露呈していた。

 シマエナガが気になり、画像検索してみると本当に可愛らしい鳥だった。ふわふわで白い身体は、妖精を連想させた。

「こんな鳥も神様が創ったと思うとすごいわね」

 思わず呟いてしまった。可愛い鳥も創れる神様すごい。

「へぇ。聖書だと動物もみんな神様が創った事になっているんだ?」

 この話題に佐伯さんは食いついてきた。

「人間もそう。進化論も嘘なのかな?」
「進化論ねぇ。確かに先祖は猿とか言われたら、あんまり良い気分はしないわね。詳しいことは知らないけど」

 佐伯さんはしみじみとつぶやいた。

 私も進化論の事はよくわからないが、人間が動物を一から生み出す事はできない。もちろん人を創る事も無理だ。

 天候も操れない。大きな地震のとき、人間の力が小さすぎたと思った事を思い出す。

 身体も心臓を動かしているのは自分の力だとは思えない。

 それなのに「自分が神様」?

 蛇の騙しはツッコミどころ満載だと思った。
 いくら修行にようにアファメーションしてもイメージングしても、人間は神様になれない。

 言葉を発して現実を創造できるのは神様だけだ。人間にそんな力はない。人間の思考も現実化しない。
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登場人物紹介

野瀬青花

崖っぷちアラサー女子。

ひょんなことからスピリチュアルに騙されてしまう。

悠希

カフェ店長でクリスチャン

佐伯さん

青花と同僚。女子力高めでスピリチュアル好きな主婦。

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