77日目

文字数 540文字

 翌日、佐伯さんは出社してきてホッとした。

「私、もう引き寄せとかはやめようと思う」

 そんな事まで言っていた。

「そうだね。その方がいいね」

 私も深く頷いた。

 また、会社の帰り悠希さんのカフェに寄ってこの事を報告した。

「よかったよ。引き寄せが叶わなくてすぐ呪いが来るのは、かえって良いかも知れない」
「そうなの?」
「うん。引き寄せで願いが叶ってずーっとご利益得てたら、地獄行き決定だから」

 地獄という言葉にちょっと怖くなる。

「私も地獄行きたくないけどな」

 正直なところ、地獄がある事なんて信じていない。ただ、引き寄せで返って不幸になった実体験があるので、聖書や悠希さんが言っている事も現実的に思えた。

「それは簡単だよ。修行したり苦行する必要もない。ただ、神様を信じて自分の罪を悔い改めればいい」
「自分の罪?」
「うん。何かあるでしょう?」

 そう言われてもピンとこない。

 自分は色々と崖っぷちだが、犯罪者のようにひどい事をしているという自覚はない。

「祈ってみて。きっとわかるから」

 悠希さんに言われた通りの家で一人で祈ってみた。

 祈ってみたがわからない。

 自分は鈍いのかもしれない。

 ただ、「神様」という偉大な対象あるおかげで安心した。スピリチュアルをやっている時にような不安は感じなかった
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登場人物紹介

野瀬青花

崖っぷちアラサー女子。

ひょんなことからスピリチュアルに騙されてしまう。

悠希

カフェ店長でクリスチャン

佐伯さん

青花と同僚。女子力高めでスピリチュアル好きな主婦。

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