第31話

文字数 1,143文字

 「いつもそうじゃない あんた悩んでるけど だってもう決まってるくせに まだ間に合うんじゃない OK! 今すぐにでも OK! 返事するだけじゃない」
友人から、彼女へのアドバイス。彼女とは親しく、その性格も把握している様が窺える。

「ウッド・ユー・マリー・ミー? ハニー」
おめでとう 今 やっと出逢えた 魔法の言葉 
魔法なら、一生、解けない方が、誰にとっても幸せであろう。まあ、魔法にかかりやすい人、かかりもしない人、かかったふりも上手い人、様々ではあろう。魔法が解けたら、怪物が王子様だったら、多分、二人にとっても幸せであろう、と想像する。だが、相手が怪物のままでも愛しているのなら、それは誠の愛、であろう、そう実感する。

 「広い世界で 出逢えた奇跡 大げさだけど 運命だよね」
運命という言葉で、人は喜んだり、悲しんだり、怒ったり、泣いたり、感激の涙に咽んだりする。予め何者かによってプログラミングされている、という考えなどを人は、そう名付けている。「うんめえ」かったり、「うんめえ」くなかったり、様々ではあろうが。

 「いつかは私出逢うかな? 魔法の言葉に アー」
友達や知り合いの人の好運を見たら、嫉妬する心などを抑え、心から祝福し、「次は自分の番」と口に出して言ったりすればいいと識者は言っている。参考まで。
 
 「おめでとう 今 やっと出逢えた 魔法の言葉 とてもささいな始まりがほら とても大きな愛に変わってく」
孤独なる魂が憩える日は何時? 何処で、何者と……。

 「始まりは何時も愛 それが気まぐれでも」
気まぐれやとてもささいな始まりが、とても大きな愛に変わっていく。「生きている不思議
死んでいく不思議 花も風も街も みんなおなじ」「かなしみは 数えきれないけど その向こうできっと あなたに会える」会える、その希望が人を生かしていく。

 「閉じていく思い出の そのなかにいつも 忘れたくない ささやきを聞く こなごなに砕かれた 鏡の上にも 新しい景色が 映される」
閉じていく思い出=こなごなに砕かれた鏡、忘れたくないささやき=新しい景色、聞く=映される、と感ずる。とても、感ずるものが大いにある詩である。

 「海の彼方には もう探さない 輝くものは いつもここに わたしのなかに 見つけられたから」幸せを探しに出かけた兄妹が、様々な場所を経めぐって、自宅に辿り着いた時、そこに「青い鳥」はいた。人は外の世界に自身の求めるもの・得たいものを夢見、旅に出る。そして、様々な物事、人や存在を体験・経験し、やっと気づく。すべては自身の内にすべて備わっていたことに。愛とは何か、を問い考えているうちにはそれは捉えられない。「愛」とは自ら発するものであり、それを感じている時、それを掴みとっている。
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