第46話

文字数 1,027文字

 傑作をなしたい。そう心底感じる。何故だろう。表現者なら、大抵の人がそう考えているに違いない、そうとしか想えない。「(兎に角売れる)商品を作りたい」と感ずる人はそうするがよい。価値観の違いがあるだけで、優劣の問題ではない。魂の質の違いがあるだけ、である。商品は消費され残らぬもの、作品は永き時を経て愛でらるるもの。

 何処かの誰かが云いし事を鸚鵡の如くリフレインし、それで悦に入るなら、それでよかろう。この世界に全き新たなる事は非ずと雖も、自らの編み出す言の葉にて、自己を先ず救い、共鳴する魂のため、内なる心の声をあらん限り、迸らせむ。

 無理して動いている訳では非ず。表し現さずには已まれぬ想いが故、キーを打たむ。鳥が詠うが如く、花が笑いし如くに──。

 次々と新たなるトレンド(波)に乗りかえりつ生き行く時流となりぬ。ライド・オン・タイム、心に火を点けて、飛び立つ魂に送るよ、ライド・オン・タイム……。

 「迷信」何事につけても、そう決めつける心の性向こそが、それこそ、そう呼ばるるに相応しく、「信頼」無条件に自他に向けるそういう想いこそが、そうに違いなし。

 「賞賛」されたくて、活動している訳にては非ずとも、それを大いに得られたれば、それに勝る歓びもなし。

 腹が減っても戦はなさむ。己に克たむ、と意図す闘いにはまいて。

 一秒、一分、一時間、その積み重ねが人生というものの構成要素であり、生きている大切な時という名の実質だ。「火」と「水」のスパーク、これこそが「錬金術(化学)」のαにしてωであり、神=火(か)水(み)の正体の一端である。

 唯一の正解を求むる時代は黄昏にして、世は更け行く。「答え」は、各各が出すものにて、そを貫き生き行くことこそが正当なる正答たり。

 世に正解のみを求め彷徨う者甚だ多し。成功の保証非ずんば動くこともせしが如き。様々に間違い、戸惑い、迷いつつ、苦しみながら答えを見出した時、あなたは至福に包まれる、多分そうだ。「そんなの気休めに過ぎない」そう想うなら、生きてそれを証明してご覧。

 一見、相手に征服されたようで、実は相手を征服している。そんな構図にも気づかぬ(男の)人はとても多い。まあ、知らぬが仏、という言葉もあるので、幸せならそれで構わない、そんなことをぼんやりと考えてもみたりする。

 生きることは「対症療法」。これで、なにか不都合でも? 根本治療をお望みなら、なんにでも効く特効薬・秘法はある。この世からの卒業=死である。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み