第16話

文字数 1,236文字

 「この世をば我が世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」この歌の新たな解釈を山本淳子さんという方がされているという記事を見た。「今夜は心ゆくまで楽しいと思う。空の月は欠けているが、私の月──后となった娘たちと宴席の皆と交わした盃──には欠けていないのだから」というのが彼女が提出したこの歌の意味する処である。

 嘗て隆盛を誇ったダイエーのシンボルマークは、満月に少し欠けたものであった。満月はやがて欠け行く運命にある。だから、これから満ち行くイメージとしてそのようなものにしたという由である。因みに三日月はこれから益々満ちていくことを想像させて縁起がよいものと解釈されて、戦国武将はその兜に三日月の前立を好んであしらったという。

 政治的・宗教的・経済的支配を目論むMAGAFは紛うことなき世界に新しき秩序を齎さんとしているオーガニゼーションである。グローバリゼーションなる思想を掲げ、広め、浸透させ、支配する。

 現在の民主主義の起源は古代ギリシア・アテナイのアクロポリスである。この都市国家は人口30万で内、自由市民12万・奴隷18万であったという。自由なる者たちは暇なので「哲学」という遊びを生み出し興じた。奴隷は労働を担わされ、物言う動物と見做されていたという。女性にも参政権はなく、愛玩の対象であったと識者は語っている。

 世界を支配している者は頂点にいるようであるものに支配されている。その彼らを支配しているもの、それは彼らの心の内にある「恐怖」という見えもせず、捉えることもできぬ不気味で禍々しい感覚であろう。何故なら、彼らは自身の地位を支配している者たちから奪われ、復讐されはしないかという危惧で身心とも休まることはないであろうから。

 それから脱却し、安心立命するには支配し・支配されたりしない世界を実現することである。然るに、現在生きている者たちはそのような状態を経験したことはない。未知なることを怖れるのが人間存在であるという指摘があるが、未知なることを体験・経験することに期待と歓び・幸せをあなたは予感しないだろうか。筆者は愉しくてしょうがない。

 人々を支配すること・されることに疲れている人は大多数であると自分は考える。支配を強化する方向に現在の世界は進んでいるように感じられる。聖書を信望している方々は大艱難時代とか説き、その教えを広め、益々、この世界をディレクションしている。

 意識をその方向に向かわせる人々が増えれば増える程、世界はそのようなものとして実現していく。自分はそのような未来は選択しない。「するな艱難、やるな艱難」艱難などない方がいいに決まっている。だから、夢のように楽しい世界を共に実現していこう。

 PILOTにはTIME LINEというボールペンがある。嘗て、自分は愛用していたが失くしてしまった。だが、自分は新世界秩序なる拘束・支配のSPACE LINEからも離脱している。自分の未来は自分で招来し、そこで交歓して生きて行く。
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