第13話

文字数 1,044文字

 今、苦しみの中に喘いでる友よ。君のその呻吟が必ず報われる日々がやって来る。そう信じ、今を凌ぎ、進み行っていて欲しい。死ぬることなら何時でも何処に於いても出来る。絶望の暗闇に希望の灯を点す時は今。将に心鼓舞し、歩を繰り出さん。

 人に隷属すも人を支配するも吾は望まず。困難の時にこそ、声をあげ笑い笑わせ、混沌と秩序(コスモス)は世界の裏表にて、男女、昼夜、苦楽などと同様なるものなり。

 すべての人に差異はあれど、その魂は対等であり、社会的身分・地位の違いを感ずるやも知れずも、それにも関わらず、価値に大小はなし。生物と無生物、正邪なども、すべて「存在」という位相にてはなべて等しきものにて、優劣をつけたきは、汝が思い違いなり。

 「気にしない、気にしない、一休み、一休み」とは、魔法の言葉にて、生き活動して行くことに於いての要諦なり。人にこちらの思惑を断るるは普通のことと認識し、相手への期待も一切なくば心悩ますこともなし。

 家族と雖も、独立した存在にて、自身の想い通りに動くは難し。

 世界が自身の想い通りに動くと想い行動すとなにも動かず、想い通りにならぬものが世界であると認識し行動すと想いの外動くがこの世の誠なり。

 電灯が世界に福と禍の何れを齎したかは視点・視線の違いによるなり。果たして、昼夜問わず、人が活動すをよきことと解釈すば、其は福にて、其はただ、人類を忙しなく働かす因なりと想わば禍なり。

 文明開化と謂わるるものの本性は多忙化、多占有化、他者を自己に隷属せんとする輩の金(融)による現実化にして、自己とその近しき者たちのみの幸福をせんとするものなり。其は、巨視的には大きな視点からの真の幸福には非ず。他者を疲弊さすることによる一部の人間の幸福は果たして、汝は誠の至福と感ずるや。

 子供失い(ロスト・チャイルド)家なる者たちやライ麦畑家などが果たして、この世界の真の支配者たるや。余が世界の支配者たらんと企つれば、自らの名は秘匿することを第一の旨とす。この二大財閥が世界中の人々に知悉さるる事実より、吾々には把握できず、知ることも出来ぬ、陰の真の支配者の存在が想定さる。

 而して、常に真の敵は外にはあらず。誠の敵は常に己なり。「わたしの敵はわたしです」

 隷属すも独立自尊すも、他者を支配せんという誘惑に負けるも克つも、常に己の魂に照らしし後の選択の果なり。幸せも不幸も、自由も拘束も、豊かさも欠乏も、愛でいるか・いられるか、恐怖に襲われ・陥るか否かも、すべて己・吾選択の果実なり。
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