第37話

文字数 1,107文字

 「終わ」った「コン」テンツ? レッドオーシャン? 関係ない! だからって、それをやらない? ただのやらねえことの言い訳にしかなってねえ!

 いいか、その海の色が何色だろうと、泳ぎたかったら、泳ぐんだよ! 潜りたかったら潜り、波に乘りたきゃやりゃあいい。青い色だと云われて飛び込んで、アップアップしたら、どうせ、そう言った奴んことをおめえは責めるんじゃあ、ねえのか?

 てめえの人生じゃねえか。てめえの生き方、やること、好きなこと、嫌いなこと、いろいろあるんべえ、と想うんだども、あんだの求めてるもんは何だべ?

 「流されて、流されて、僕のところへ」って、フレーズあるけど、流れに逆らう生き方もカッコいい、そうは想わねえ? 花の慶次も言ってたぞ、確か、「負け戦こそ、男の花道」だとか。彼は、その負け戦で、確か8人だかで朱槍を手にして突っ込んで行って、勝ち戦だと悠々と構えてた何万もの敵は命が惜しくなっちまって、敗走していった。

 なんでそんな奇跡を彼は起せたんだ? 覚悟だよ! 死んでやろうって、自分を捨てて、大事なもの(人)のために潔く散って行こう、そういった爽やかな放下だ。

 てなこと言ってる、おらあ自身がそれが出来てねえんだがな──

 三木の清っつあん、が確か、言ってんだども、「死ねるほどに執着するものがある人は」なんだっけ、いちいち調べんのもめんどくせぇから、自分の言葉で言っちまうことを勘弁願いてえんだども、「執着できるもんがある人は幸せだ」てなことだったか。

 花慶は書いている。調べりゃちゃんとした言葉知ること出来ると想うから、興味湧いた人は調べてみてくれ。「悟りの極楽に行きたいという(欲の)心もなかったら、地獄に落ちる、という心配なことも起こり様がない」みたいなこと。

 矛盾してるように感じてるだろ? 「自分の命を捨てろ(=執着するな)」と言ってみたり、執着することがいいようなこと、記したり。ぺっこ、説明すんな。

 花慶が執着してたのは、「美」というもの。つまり、生きるにも死ぬにも、その中に自分の求め感ずる「美しさ」、それが彼の守りたい大事なものだった。だから、生死に執着がなかった、と、おらあは考えでんだ。

 あんだにはあんだの守りてえもの、大事なものねえのすか? まあ、ねばねえでも、おらあいい、ど想てら。あんま、人ど比べでも、良す悪す、だな。皆ど同ずでねば、安心でぎながべが? 不安ぬなるべが。んだどもな、そういった、葛藤どが困惑、苦闘どが云われんものが、生ぎでるってごどで、んだがら、嬉すいごど、喜び、感激どががあって、尚一層、感謝で涙ってもんが溢れで来て、ありがでえど心から感ずれるごどば祈てら。
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