第34話

文字数 1,390文字

 人は弱い。「恋をして 終わりを告げ 誓うことは これが最後のハートブレイク」ビブリオとかに、どのような教えが書かれていて、如何すべしと教えているかを気にし、それに従順に生きることを原理主義という。其れで幸せを感じておられるのなら、おらあはそのようなあなたの幸せを祈念している。この言に含みなどはない。純粋にそう望んでいる。

 人は弱い。「桜さえ風の中で揺れて やがて花を咲かすよ」自身を力づけ、生きて行く勇気・意欲をあたえてくれるものごとがあるのなら、どのようなものにでも頼るがよい。教えは教え、人は人。大事なのはあなた、あなた自身。あなたが何を想い、どう考え、どの様なものを信じ、どう生きることに幸福を感ずるか、大切なのはその一点。「もしも他の誰かを 知らずに傷つけても 絶対ゆずれない 夢が」もし、あなたにあるのなら、誰かをたとえ、傷つけることを知っていたとしても、そして自身をも傷つけられようとも、幸せを掴みに旅立とう。「手を伸ばさなきゃ あの星さえも掴めない……」

 人は強い。「どうして同じ様なパンチ 何度もくらっちゃうんだ それでもまた戦うんだろう それが命の不思議」それでも生きていかなければ「ならない」そう人は言う。 否、生きて行くことは義務・責務・強制では非ずして、決意・意志・希望といわれるものである。生きていき「たい」か、生きて「いく」、生きて「いこう」としているか否か。生きているうちには、苦しみ、悲しみ、切なさ──様々な困難、葛藤、大きな絶望も経験するだろう。だが、なにか大いなる者に、自死を企て実行しようとも、救われたという実感を体験した者は、その後、どんな不幸・フラストレーション、逆境に晒されようとも、苦闘しながらも生きて行けるに違いない。大きな恩恵を人々・世界に齎そう、そういう大いなる意思を自己に携えたりしながら。何故なら、何度も捨てようとした命をその度与えられた有難さ・嬉しさに、存在全体を奮わせながら、至福に包まれている、だろうから。

 人は強い。「ここからそう遠くないだろう 観たこともない景色 止まらない胸の痛み超えて もっと君に近づきたいよ 一周りしては戻り 青い空をずっと手探り」窮地(旧知)を離れ、新天地(進展知)に向け、歩き出そう。痛みを抱えながら、満身創痍であろうとも。その先のカナン、ニルヴァーナ、所謂あなたが求めし約束の地には必ずや辿り着けるだろう。疲れたら休み、飽いたら寄り道・遊んだり、人々と語らったりしながら。ひょっとしたら、歩くことをやめ途中の地で懸命に生活を営んでいたら、そここそが約束の地であった、と気づいたりすることもあるかもしれない(そこを約束の地と「育て上げた」)。

「人はかわいい かわいいものですね」「君は行く 奪われた暗闇の中に とまどいながら 君は行く ひび割れたまぼろしの中で いらだちながら いつか孔雀のように 風に翼を広げて 西の果てから 東の果てまで 休みもなく 車を走らせてゆく」おらあなら、クロスバイクを漕いでいくが、人によってはカヌーやボートで、パラグライダーやハングライダーで行くかもしれない。バイクで電車で飛行機ででもなんによってでもいい。大事なのは行く先、向かう先、求めるものごとを自身が設定・意図出来ていること。

 「ああ 未来達は 人待ち顔して微笑む 人生って 嬉しいものですね」
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