第25話

文字数 1,159文字

 『聖書』をこの世界の吾々人類を導く基準の書物と認じ、最長で5時間近くも電話で遣り取りしている友がいる。その彼が、「原罪」についての解説動画を送信してくれた。

 それを視聴し、どこまでがヨシュアの説いた内容でどこからが後世の人の解釈か、と疑問を呈し、他の解釈もあって然るべきでは、と感想を述べた。

 この動画についての感慨であるが、ここに於いてのエホバは愛の神というより、義の神・裁く神であり、神と悪魔の白か黒かのモノトーンの世界観というのが適切である。グレーのグラデーションのある墨絵の世界でさえもなく、はっきり、白か黒かの両極の彩が微塵も感じられない無機質なものしか存在していない。

 この世界は様々な価値観やものの感じ方がある極彩色のカラフルな豊穣の時空である。「原罪」というもので復活か永遠の失命かを説くことにより、明らかに脅しの意が込められている。「虎の威を借る」が如く、「神の威を借」り、得をしている者たちがいる、そう感じた。そして、「ヨシュアが神の御子だからといって、彼の言ったとされることに素直に耳を傾けることはあっても、従順でいる必要性は感じない」そう宣言する。

 確か乙女座である友は、親しく付き合ってくれている自分のことを心配し、或いは呆れかえり、離れていくかもしれない、そんな危惧もあるが、蠍である自分はその尾の針で刺すのが性というか、そのような生き方しか出来ないし、したいと想わない。

 神は唯一というが『聖書』を読むと、他にも神はいるが、「エホバがその時分最強の神であった」と自分は解釈している。友は「アプリオリに神は唯一」と直観しているらしいが、自分はまったくそんな風に直観もできないし、権限神として唯一だが、神は複数いるだろう、そうとしか感じられない。あなたという存在(人間)はこの世界には唯一だが、他にも人間はいっぱいいるが如く、こんな説明でご納得していただけるであろうか。

 例え、どのような事態を招こうが、自分が到達した想索を明かさずにはいられない。友が離反しようが神の罰を受けようが、自身に齎された直観を呈示せずにはいられない。

 世界は「黙示録」の通りに展開してきたし、そう実現していく。
当たり前だ! 世界中の「先生」と呼ばれている方々が、何名もそう大勢の人々に懸命に説明し、主張していれば、(集合)意識もそうなっていき、誘導されるのが道理だ。

 だから、あなたがそんな世界にいきたくないと感じているなら、そんな説教に関心を持ち、熱心に視聴してはいけない。

 『聖書』の「黙示録」に描かれていない夢のような至福の世界にいきたいなら、素晴らしい世界を同じような世界観を抱いている人々と語り合い、想像し、違う方向を目指せばいい。この世界の真相が唯識的であるのなら、吾々はそのような現実を創造出来る。
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