第66話 ゲームだん
文字数 1,891文字
はなびはスマホで時間を確認し、ベッドからそっと抜け出そうとする。
しかし、次の瞬間晶に腕を掴まれてしまった。
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次にはなびが目を覚ました時、既に外は明るくなっていた。
晶は既に起きており、珈琲を淹れてスマホの画面を凝視している。
毛布を被り、マグカップの珈琲を啜るはなびの髪を、そっと指でかき分けた。
食料の買い溜め。
それだけだけだった。
同棲が始まってからというもの、外食という選択肢が消え果ててしまった。
晶が料理好きであり、はなびに振る舞いたい欲が強いと言う理由から。
はなびも自分も料理をすべく隙を常に狙っていたが、晶に勝てた試しが無いという状態にある。
引き継ぎレベルがあることは知らなかった、と思う。
実はその裏技を使うと通常の5000倍努力値を貯められるのだが、その度にバグを起こしてレベル100まで育て直しという手間を5000回繰り返す必要があった。
どれだけやり込んだのだろう、とはなびは晶を見つめた。
お姉さんの赤ちゃんをずっと世話してました。
お姉さんはネグレクトの気質があったので、私が世話をしないと赤ちゃんは死んでしまう、と謎の使命感に駆られて。
私は実家から逃げる為に赤ちゃんを口実にお姉さんの家に入り浸って、ミルクやオムツ替えなどを。
隙間時間にゲームなんてして、私も大概ですけど。
近所のスーパーで大量の買い物をし、帰途についた。