第43話 やめられない?
文字数 1,383文字
気が付くと、朝が来ていた。
はなびはゆるゆると起き上がると、スマホの画面を確認する。
自分が寝落ちてから、6件もメッセージが溜まっている。
心春に真面目にメッセージを送ってから、はなびは晶のLINE画面を開いた。
すっかり愛の言葉を送り合う事に慣れてしまった。
一昨日辺りに、長々と画面をスクロールしても同じ言葉しか見当たらないという交わし合いをしたからであった。
心の何かを解禁したという実感があった。
ゆるゆると出勤準備を行い、家を飛び出した。
その日は全身全霊をかけて過集中モードで業務にあたった。
定時で上げようと必死になっていると、突然肩を叩かれた。
上司の義勇太だった。
定時まで仕事に取り掛かった後で、はなびは義勇太のデスクに向かった。
彼は少し憂鬱そうにパソコンの画面を眺めていた。
義勇太に軽く会釈をして、はなびは退社した。
急いで会社を出発し、駅へと向かう。
駅のホームでスマホを確認すると、LINEメッセージが来ていた。
晶からだった。
そういえば、生理中だった、とはなびはぼんやりと考えた。
生理中の性行為はどうなのだろうか?と考えながら、はなびは静かに電車に乗った。
やがて、晶が帰宅した。
はなびは少し笑って、晶を迎え入れると二人で洗面所に向かった。