第26話 異動者
文字数 1,466文字
次の日、はなびが出勤すると、既に席についていたゆきこの髪色が変わっていた。
ショッキングピンクのインナーカラーが入っている。
はなびは想像よりもずっと年齢を引き下げて、答えを口にした。
その途端、ゆきこはニンマリと笑みを浮かべる。
鼻をやったとは?
何をしたのだろうと、はなびは少し考えこんだ。
それからゆきこは暫く話しかけて来たが、はなびは適度に流しながら手を動かし続けた。
暫く業務に集中していると、突然義勇太が肩を叩いた。
はなびは胸を撫で下ろした。
新人指導の事を考えると少し気が重くなるが、人員を増えるのは喜ばしい。
その事について深く考えるのを辞め、はなびは再び業務に取り掛かった。
その日の業務は、少し早く切り上げた。
はなびは少し疲れた様子で帰宅の準備を始める。
そう言いながら、ゆきこはポーチを手に取ると事務課を飛び出した。
はなびは溜息を吐いて、荷物をまとめた。
ふとドアの方に目を向けると、人影があった。
二人はスマホをかざし、LINEを交換しあった。