第20話 どき、どき。
文字数 1,442文字
先日の晶とのやり取りから、はなびの心は一変した。
何もなかった灰色の日々が、まるで華やかなマーブルピンクのように様変わりし、心が弾む。
失敗したことは気にかかるが、今は考えないことにした。
LINEを開き、晶のアカウウントを確認する。
メッセージは来ていなかった。
昨日はありがとうございました。
これから宜しくお願いします。」
そこまで打って、はたと手を止める。
もう少し、押してもいいかもしれない。
シャワーを浴び、歯磨きを済ませるとそのまま布団の中に潜り込んでいった。
夕方頃、はなびは目を覚ます。
今は何時頃だろう?と考えてスマホを手に取る。
LINEの返信が着ているのに気付き、慌てて画面を開いた。
しばらくすると、スマホの着信音が鳴った。
歯を磨き、顔を洗って髪を梳かし、アメリカピンで軽く止めると、服を選ぶ。
通勤用カバンに貴重品などを全て移してしまったことに気付いたが、そのまま持っていくことにした。
改札駅で待っていると、改札出口から晶の姿が見えた。
と、その時。
晶ははなびの手を取った。
少し照れながら、はなびはそっと手を握り返す。
そのまま、二人は並んで駅構内を進んでいった。