第42話 誤爆
文字数 1,507文字
既に自分は、晶中毒だと思う。
こんなに自分は懐っこい性格だっけ、と心の中で呟いた。
と、その時。
LINEメッセージが届いた。
やはり、彼は行動が早すぎると思う。
確かに関係性をはっきりさせることで気は楽にはなるが。
思っていた以上にゆきこが性に奔放であったこと。
更に、業務に集中する事ばかり考えて、社内の噂話の一切を知らない状態であったことなど。
酷い疲労感を覚え、力なくスマホをフリックする。
どうしてこんな時に、晶はそばにいないのだろう。
彼がそばにいたところで何が変わる訳でもないが、何故か今は一緒にいてほしい気持ちが強かった。
自分の依存心について考えつつ、はなびは静かに目を閉じた。
翌日から、心春から毎日LINEメッセージが届くようになった。
はなびは晶と心春の両方とやり取りを続け、頭脳をフル回転させる機会が激増した。
はなびは、己の失態に気づいた。
晶と心春、交互にLINEを交わしていた為、送信する相手を間違えてしまったのだ。
スマホを両手に掲げ、小さく悲鳴を上げた。
それからは地獄だった。
心春は恥ずかしげもなく、自分の性事情を包み隠さず話してくるのだ。
はなびは何となく相槌を打ちつつ、彼女と自分の恋愛生活と密かに比較を始めた。