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文字数 710文字
「一郎君、シャワー貸してもらっていいかな?」
「ああ、どうぞ。もう夜も遅いんで、俺の
「ああ……すまないね。あの
「いや、あいつ、結構いい家の子供ですよ」
「へっ? 家が貧乏で、高校の受験料や入学費が足りなくて、あんな事をやった……って、そう言ってたよね?」
「言ってましたっけ?」
「言ってたよ……」
「そうでしたっけ?」
「おい……ま……待て……あの女の子は、一体全体……」
「ああ云う事して金を稼がないといけない子ですよ。そんな子の個人情報を言える訳……」
「おい、このクソガキ、何をやった? 一体全体、俺にどこの誰を……」
おいおい、古川のおっちゃん……いい大人の男が、何、女みたいにヒスを起してんだ?
「
「ま……待て……それって……
さっきまで、俺の胸倉を掴んでいた、古川のおっちゃんは、一瞬にして顔面蒼白になり……そして、床にへたり込んだ。
「や……やったのは……君か……? 俺も共犯者か?」
ん?
おっちゃん、どうしたんだ?
いや、俺は……その……古川のおっちゃんと絆を深めようとして、おっちゃんが好きなモノをプレゼントしただけだぞ……。
とは言え……。
「あ……俺がやったのが犯罪だとしたら……古川さんも共犯者っすね。俺が、もし警察に捕まったら、古川さんも手錠に腰縄で県警の取調べ室に御案内……」
「うわああああっ‼」
おっちゃんさあ……俺の親父より齢上の、れっきとした大人の男が……何、メスガキみたいに泣き喚いてんの?