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文字数 880文字
『あの……何をやるつもり何ですか?』
「お前が余計なことを考える必要は無い。つべこべ言わずに、来いッ‼」
『お……お願いです。もう、俺達……緒方さんと……』
「うるさい、来い。判ったな?『正義の味方』どもが俺を犯罪者に仕立て上げるのに成功したら……お前らも共犯だぞ。判ってるよな?」
『は……はい……』
何としても……副市長の古賀と穏当で理性的で現実的な大人の男同士の話をして、「正義の味方」どもの情報を知ってる限り
幸いにも……警官がストライキをやってる最中……その間に全てを解決する必要が有る。
やがて、やって来た山下が選挙事務所のドアを開け……。
……。
…………。
……………………。
じょぼじょぼじょぼじょぼじょぼ〜っ……。
「な……なんすかッ⁉ なんなんすか、これッ⁉」
「お前こそ、何、いい齢して小便漏らしてるっ⁉」
「い……いや、これ、死んでる、死んでる、死んでる、猿渡さんが死んでる……」
「人間、いつかは死ぬ。大事なのは『死ぬまでに何をやり遂げるか?』だ。そして、俺にはやらねばならない使命が有る。その為に、まずは、俺が着替えたら、さっさと俺を市役所まで連れて行けっ‼」
「あ……あのその……」
「何だ?」
「あの……っ‼ もう何でも言う事ききますっ‼ ウチの姉貴を差し出せと言われたら……差し出しますッ‼」
「あんなブス、要らねえよッ‼」
「……じゃあ、ウチの姉貴の娘だって差し出しますッ‼」
「俺はロリコンじゃねえッ‼ 酒井の阿呆と一緒にすんなッ‼」
「ウチの姉貴の娘が、十何年か後に、いい女になってたら、緒方さんに献上しますッ‼」
「気の長い話だが、悪くないな……。で、そもそも何の話だったっけ?」
「……ですからッ‼ 俺だけは殺さないで下さいッ‼ 何なら、堤と野口と酒井を殺せ、って言うんなら殺しますッ‼ でもッ‼ 俺だけは助けて下さいッ‼」
「わかった、わかった、落ち着け。俺が、お前を殺す訳なんてねぇ〜に決ってるだろ」