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文字数 561文字
「あの……義兄さん……徳永さんって誰ですか?」
日付が変らない内に、マンションにやってきた妹の亭主は、そう言った。
「知らん。誰の事だ?」
「今日、西鉄久留米駅の近くで、女性を尾行してた男が警察に現行犯逮捕されて……その容疑者の携帯の通話記録の中に……義兄さんの電話番号やメールアドレスやMaeveのアカウントが……」
あれ? 消した筈だが? まあいいや。
「ええっと……ここんとこ、変なイタズラ電話がかかってきてたんで、そいつだろう、多分」
「すいません……義兄さんが言ってる事が本当だとしても……」
「本当だよ。義理とは言え、兄弟だろ。俺の事、信じてくれよ」
「いや……僕が信じても……警察が……」
「えっ?」
「明日……朝9時半に、お義父さんの顧問弁護士の事務所に行って下さい……。県警から、お義父さんに、義兄さんが参考人としと呼ばれる可能性が有る、って連絡が来たそうです……」
「えっと……親父……怒ってる?」
クソ義弟は、疲れたような顔をして……首を縦に振った。
「どうします……?」
マンションの中に居た仲間の山下がそう言った。
「徳永とかいう知らないヤツの事か?」
「ええ……」
「そいつがど〜ゆ〜つもりで、何をやろうとしとっか知らんけど、もし、保釈された時には……俺達を巻き込んだ責任を取ってもらうしか無いな……」
「あ……ええ……」
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