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文字数 926文字
市役所に車椅子用のスロープが有るなんて無駄だと思ってたが……なるほど、こう云う時には役に立つ訳か……。
その時……。
「何、ジロジロ見てやがるッ‼」
「えっ⁉」
俺は台車から金属バットを取り出すと、俺を監視していた母子連れに突き付けた。
いや、正確に言えば、一般市民のフリをした「正義の味方」の手先である母子連れだ。
「いえ……えっと……あの……」
俺は迷わず母親を撲殺葬。
俺は優しい男だ。
子供も母親の元に送ってやった。
周囲からは悲鳴……。
「うるせえぞ、ボケどもッ‼ 大人しくしろッ‼」
続いて、俺は台車から拳銃を2つ取り出し……威嚇射撃。
「用が有るのは、副市長の古賀だけだ……他の奴は邪魔しない限り殺す気はねえッ‼」
だが、その時……。
「待て、武器を捨て、手は頭の後ろに。そして、ひざまづけッ‼」
声の主は……警備員6名。
全員がテイザーガンを手にしている。
「うるせえ、てめえらも『正義の味方』の手先かッ⁉」
「本部、犯人は何らかの違法薬物を摂取している可能性あり。医療チーム内に専門家が居るか確認願います」
「だぁ〜まぁ〜れぇ〜ッ‼」
俺は、両手の拳銃を撃つが……あれ?
当たんない……。
当たんない……。
マジで当たんない……。
警備員達は、ジリジリ、俺に近付き……。
マズい……。
そろそろ……テイザーガンの射程距離……。
その時、白い何かが、俺の頭上を飛び越えた。
警備員のリーダー格らしき奴の顔面に……そいつの飛び蹴りが命中。
乱戦になったので……警備員達は飛び道具が使えなくなった。
だが……多分、飛び道具無しでは、そいつには敵わないようだ……。
ほとんど苦戦せずに……そいつは、6人の警備員をブチのめした……。
「あ……あの……僕も……
突如、現われた、
「す……すいません、貴方の事、先輩って呼ばせてもらっていいですか?」
「あ……ああ……そ……そうだな……」
「一緒に『正義の味方』達の『正義の暴走』を止めて……この久留米から関東難民を追い出しましょう」