勝手に自分語り

文字数 1,657文字

 小説を書く理由や、書くことで何を目指しているのかということを、自分でも具体的に説明できません。
 小さい頃から何か物を作ることが好きで、物を作っている時がいちばん充実し、生きている実感を持てました。
 大人になってもそれは変わらず、創作的な行為から離れ仕事ばかりしてた頃も、スライド作成など形に残る物を作るのが好きでした。

 何かに熱中することも好きです。
 小説を書き始めたきっかけは、歳を取って体力が落ち、昔のように仕事に百パーセント打ち込むことが難しくなったことでした。百パーセント打ち込む前に体力の限界が訪れる感じです。
 老いは誰にでも等しく訪れますが、昔のように頑張れない自分に慣れ、受け容れることは、私にとって想像より難しいことでした・笑。
 なんというか、倒れる寸前まで頑張ってないとサボっているような罪悪感を覚えたり、生きている実感を得にくかったりするんです。
 たぶん、極端で過剰な性質なんだと思います・笑。
 いつまでもこのやり方を続ける訳にはいかないんだと悟り、私は途方に暮れました。
 だって、日本人女性の平均寿命まで生きるとしたら、まだ結構な時間が残されてるんですもん。というか、定年までだってもう暫くある。
 多くの人がそうなのでしょうが、老いの入り口には精神と肉体の乖離があり、折り合いをつけるのに時間が掛かり、苦労しました。
 何年か真剣に自分と対話し、色々なことに中途半端に手を出したりもしました。
 創作は最初から頭の片隅にあったのですが、大物過ぎる気がして手を出せませんでした。本丸過ぎるというか。

 物語を紡ぎたいというのは、子供の頃からずっと心の中に在った願望です。子供の頃は頭の中に常に空想の世界が在り、そこに生きる人々に様々な出来事が起こっていました。
 その空想の世界を私の頭から取り出して、何かの形にしたい。子供の頃はずっとそう思っていました。
 大人の私の頭の中から空想の世界はすっかり消えてしまっていました。でも本当に消滅してしまったのではなく、長いこと封印してきたような、自分ではそんな感覚だったのです。
 その封印を解くのは、いま思えば馬鹿馬鹿しいことですし、この日記を読んでる方も「何を大仰な」という感想を抱かれてることと想像しますが、私にとっては一大事、大きな決心の要ることでした。

 子供の頃から人生で一番やりたかったことに、いよいよ手をつけるのだ。

 などと当初は大層な気持ちでいたのですが、いったん書き始めるとあっという間に熱中して、どうしてあんなに大仰に構えていたんだろう、とっとと始めておけば良かったと思っています・笑。
 まあ、簡単に始められなかった本当の理由は、何かを書くのならちゃんとした物を書き上げねばならないという見栄のようなもの、意味のないプライドがあって邪魔していたからだと思います。
 つまり、当時の私は本当にやりたいことを始めるにはまだ若く、余分なものが多くて未熟だったということです。
 開始が後ろにずれ込んだのは、本当にやりたいことを虚心なくやれる自分になるまで、自分で待っていたからだろうと思います。
 初めは「何を書きたいのか」ということすら分からず、「自分の好みの話」と「読んで来た小説」のバランスを意識して話を作ろうとしました。最初の頃、創作に影響していたのは読んできた小説、好きな映画や海外ドラマでした。
 小説を書き始めて一年以上経った今、私が書いているものは明らかに「子供の頃に読んだ漫画」の影響を受けています。子供の頃に読んでいた、理屈っぽいんだけどエモーショナルな少女漫画。世界観が作り込まれ細かな独自設定満載で、人間関係は複雑、でもストーリーはロマンチックな少女漫画。(ちなみに登場人物の女子率は低め・笑)
 ああいうの、また読みたい。でも明らかに、もう全く流行らない。だから描かれてない。
 ので、自給自足してます・笑。

 今日の日記はなんだ。
 いや、この日記はいっつもそんなもんか。
 誰も聞いてないのに勝手に自分語りでした。

二〇二一年二月一九日
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