書けないもの

文字数 1,391文字

 私には書けないものが幾つかあります。
 まず、短編。
 短編をどうやって書けばいいのか、誰か教えて欲しいです。

 私がNOVEL DAYSに公開している作品の中で唯一の短編「アモンの蛇」。これは以前活動していたサイトのコミュで「悪魔でBL」というお題を頂いて書いたものです。
 コミュの企画ですから当然、長い話を書くつもりはありませんでした。なのに、お前いったい何文字の作品を書くつもりなんだよ…とゆー込み入った設定を作り上げ、取り敢えず序盤だけ書いて終わらせてしまいました。
 心残りはあり、これをきちんと書いて完結させたいという気持ちは今もあります。大悪魔アモンの牙と尻尾の邂逅・・・みたいのやりたかったよー。
 でも完結させるなら設定作り直して一から書き直すだろうなー。
 ちなみに、この作品で書きたかったものは第一話で書き終わってる気がしています・・・。

 私が初めて書いた小説は「リュカントロポスの咆哮」という作品です。これは三部構成の長編で、一応ラストまで大雑把なプロットは立て終わっています。
 私は初めての小説を夢中になって書きました。・・・・・・書きました。ええ、書きましたとも・・・・・・。
 ・・・・・・。
 書いても書いても終わらない・・・・・・。
 十三万文字書いても第一部の第一章すら書き終わらなかった私は、息切れしました。
 息切れして、「リュカントロポスの咆哮」とは別に、交互に書くことで息抜きに出来る、一話完結の短編連作を書こう!と決意しました。
 そう、池波正太郎大先生の「鬼平犯科帳」のような、短編連作シリーズを書きたかった。
 そうして出来たのが「混沌譚」シリーズです。
 ・・・・・・。
 息抜きに出来る短編連作シリーズ。誰だ、そんなことを言ったのは。私だ。

 既に三十万文字くらい書いてる「混沌譚」シリーズですが、当初は「マラデータ王国篇」を冒頭に持ってくる予定でした。物語の序章に丁度良い話だと思ったんです。で、「ティエラ山篇」の内容は「マラデータ王国篇」の中で過去の回想として書くつもりでした。
 しかしどう考えても情報量が多すぎる・・・書き切れる筆力が自分にあるとは到底思えない。それ以上に、「リュカントロポスの咆哮」を十三万文字で息切れした自分が、また長編(になるかもしれない話)を書くのか?
 そう思い、序章のプロローグとして「ティエラ山篇」を別作品として書くことに決めたわけです。
 「ティエラ山篇」の初版は約七万二千文字、改訂版は約七万八千文字です。これなら長編じゃないっ!
 その後、なんとなくトチ狂って「水獣の謡」という一万四千文字の短編を書いたんですが、現在加筆作業中で最終的には八万文字くらいになる予定。
 次に来る「マラデータ王国篇」は二十万文字。
 いま書いてる「蝋色の花」は八万文字くらいのつもりで書き始めましたが、既に五万文字終わって第一章も書き上がっていない。
 どうやったら「混沌譚」シリーズを短編連作の軌道に戻すことが出来るのか、誰か教えて下さい・・・(いや一度もそんな軌道に乗ったことはないから、戻すという表現はおかしい)。

 私は自作の登場人物にめちゃくちゃ感情移入して作品を書く質です。ですからいったん作ったキャラと短い話でお別れするのが辛いんだと思います。
 というのが、私が短編を書けないことに対する私なりの言い訳です。

二〇二〇年十一月二十二日
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