アクション映画と筋肉

文字数 1,250文字

 さて、日記を始めたからには何か書かねば、という気持ちになっています。
 話題がないので、最近の出来事を書いてみます。

 元々海外ドラマや映画を観るのが好きなのですが、最近はVODでたくさん海外ドラマやら映画を観ることができます。
 そろそろ面白い作品も見尽くしてきて、先日、タイトルを聞いたこともないB級臭のするアクション映画を観てみることにしました。(ちなみに、私はまあまあB級映画好きです。)
 粗筋には「元特殊部隊の兵士がサッカースタジアムで偶然テロに遭遇し・・・云々」といった、ありきたりなストーリーが書いてあります。
 冒頭シーンで登場した主人公・・・でかい・・・筋肉の塊・・・。
 まあ、それは良いです。観進めます。
 暫くすると舞台は大きな試合の開催されているサッカースタジアムに移り、ロシア人犯罪組織が施設を乗っ取ろうと画策、偶然巻き込まれた主人公は孤軍奮闘して彼らと闘います。よくあるストーリーです。
 ・・・よくあるストーリーなんですが・・・主人公が・・・弱い・・・(え!? 元特殊部隊!? なんだよ・・・ねえ・・・???)。ただでかいだけの筋肉の塊、うどの大木。悪役のロシア人たちがまた体格が良くて、重戦車みたいなんですね。重戦車(主人公)がもっとでかい重戦車(ロシア人悪役)と正面衝突して、負ける、みたいな格闘シーンが続くんです。
 いや、もちろん主人公が死んだら映画が終わってしまいますから、小道具を使って辛勝しますが、なんだか、勝っても全く爽快感がない。
 観ていて段々飽きてきます。何に飽きるって、筋肉にです。そのでかいだけの筋肉の塊、もういいねん!もっと動けや!て気分になってきます。

 かつての香港功夫スターにサモ・ハン・キンポーという人がいて、「動けるデブ」と呼ばれていました。サモ・ハンは脂肪の下に、実用性のある筋肉を(まと)っていたのです。
 それに比べ、この筋肉野郎たちの動きの鈍いこと!
 正面からぶつかって殴り合う、後ろから首を絞める、台に叩き付ける。
 でかい身体した男たちがそんな風に単調な格闘シーンを続けても、はっきり言って、筋肉が重たそうにしか見えません。
 お前ら、 アクション映画は筋肉さえ盛っとけば良いと思ってるだろう! 筋肉さえでかければ、強そうに見えると思ってるだろう!
 違う! 筋肉は好きだが、動ける筋肉が好きなんだ! しなやかな筋肉に裏打ちされた、人間離れした芸術的な動きが見たいんだ!
 と心の中で叫び、結局、映画を最後まで観ることはできませんでした。

 後日、ある人にこの映画のことを、
「ステロイド飲んで筋トレしてるだけの俳優しか出て来ない。その上、主人公が弱い」
 と説明したら、爆笑されてしまいました。
 でも、きっと分かってくれる人がいると思うんです、私のこの気持ち・・・。
 とりあえず、そこそこ大作に出ている出演料の高いアクション俳優さんたちは、アクション上手な上に見せるための筋肉も鍛えていて、稀有な存在なんだなあ・・・と思い知りました。

二〇二〇年十一月十七日
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み