或る地獄の午下がり

文字数 1,093文字



 これまで二千字文学賞に応募したことは一度もなかったのですが、今回はテーマがファンタジーということで、これをスルーするのはあんまりか!? と思い、無理やり参加してみました。
 混沌譚シリーズのジャンルはSFにしてますが、私自身はファンタジー書きを自認してるんです・笑。実際にWEBに小説を投稿し始めて、私の考えていたファンタジーと世間で言うところのファンタジーの間に乖離があることは、薄々気付いているのですが・笑。

 とはいえ、二千文字で作品を纏める才能など、設定厨の私にあろうはずもない。世界観の説明だけで二千字終わる。というか、二千字超える。
 何かこれまで書いたものの中から巧く抜き出せないかなーと姑息なことを考え、「アモンの蛇」のプロローグともいえる第一話を抜粋して応募することにしました。

 「アモンの蛇」はテーマを頂いて書いたものなので、本筋はこういうストーリーにしようと一生懸命考えながら書いたのですが、第一話だけはただの作者の趣味炸裂のエピソードとなっています。
 子供の頃、海外ファンタジー小説の何とも言えず幻想的で耽美な世界観に惑溺したものですが、そのわくわく、どきどきの気持ちを乗せて心の赴くまま筆を滑らせたというか……。
 たぶん、私が書きたい文章は「アモンの蛇」の第一話のような文章だと思います。耽美趣味だって分かってるんですけど、ああいう文体だとノリノリでのびのび書けます。でも、それなりに世界観も耽美じゃないと気取りすぎた印象にしかならないんですよね。
 一度とことん耽美に走った物語も書いてみたい。でも、耽美を極めるには私の書く物語は甘さが強すぎるんだよな。あと理屈っぽい。

 話が脱線した。
 「アモンの蛇」の第一話を読み返すと、「ああ、自分の文章だなあ」と感じます。なんというか、素の自分が一番表れているというか、抑制を外して好きに書けと言われたらああいう文章になるというか。
 なので、「神乃佳月はどういう文章を書くのか」という自己紹介には一番良いエピソードだと思ってます。(ちなみに二話目以降は少し違う。)
 気取り倒した厨二っぽい文章が好きだとバレてしまうのは恥ずかしいのですが、一番自分らしい文章で書かれたエピソードを掌編として公開したことは、私という書き手を知ってもらう上では良いことなのかも。

 などと考えながら、たぶん最初で最後の二千字文学賞応募をしました。

追記
 突貫で表紙を作成したのですが、全く中身とイメージのそぐわない表紙になってしまいました・汗。見た方にはサイコスリラーという評を頂きました・笑。どう見ても現代物にしか見えない・苦笑。

二〇二一年三月一日
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