ぐーたら

文字数 1,613文字

 私はとても大雑把でぐーたらなダメ人間なのですが、少しくらいはちゃんと生きようという自律の心も皆無ではありません。
 自分なりにちゃんとやれるよう環境を整えて、なるべくちゃんとしようと自分に言い聞かせながら生きています。
 朝ちゃんと起きて仕事に行って、夜家に帰ってご飯を作った後、ちゃんと食器を片付けて生ゴミを捨てて台所を掃除し、お風呂に入って夜の基礎化粧品をちゃんと顔に塗る、そこまでちゃんとやれて、きちんと片付いたリビングダイニングを後にするとき、「今日はちゃんと生きた」と安堵します。
 一方、仕事が忙しくて疲れが溜まってたり、精神的に落ち込んだり荒んだり、ただのサボり気分に襲われたりしてる時には、リビングのローテーブルの上には物が溢れ、キッチンの掃除はおざなりになります。
 ものすごく散らかったりするわけではないのですが(長年の経験から散らかさずに済む部屋にしてるから)、いつもよりきちんと整えられていない部屋を客観的に眺め、「あー今の自分はダメだなー」と感じます。(そういう時はたいてい執筆もはかどっていない)
 そういう時は負の周期にハマってますから、きちんとしてない状態が数日から一週間程度続いたりします。その間、毎日「ダメだなー、でもキツいし、後回しでいいや・・・・・・」という気持ちの連続です。

 でもね。
 そんな出鱈目な自分でも良いやっていう自分への甘やかしを持っていたい。だらしない自分も、まーいーじゃんって許しておきたい。

 ・・・・・・。
 何を言ってるかというとですね。
 今日、お昼ご飯を食べ過ぎたのか、夜ご飯の時間になってもお腹が空かなかくて、料理するのが億劫だったんです。
 ものすごくタイミングの良いことに、昼間に親友からワインに合うパテとクラッカーのセットが宅急便で届いたんです。
 ワイン呑みながらこれつまんで夜ご飯にしよー♪と思った私は、ダイニングテーブルに腰掛けることもせず、リビングでローテーブルに座り込んでパテとクラッカー食べようとしました。
 そしたらパテが思ったより柔らかくてですね、ベロッと落ちちゃったんです・笑。しかもテーブルの上だけじゃなくて、膝掛けにしてるブランケットの上にも。
 慌てて散らかったローテーブルの上からウェットティッシュを取ってブランケットを拭きながら「私ってなんてだらしないんだろう!」と思ったわけですよ・笑。
 でも自己嫌悪がなくてですね。
 こんな出鱈目でも許される自分の人生が愛おしくなって、愉快な気分になっちゃいました。

 きちんとしてる人がこの日記読んだら、もうここまでで我慢ならないと思うんですが。
 今も、二十一時以降はご飯食べない、アルコール飲まない(家ではね)というルールを破って、茹でたせせりにパテ付けてクラッカーに載っけてワイン呑みながらこの日記を書くという、めちゃくちゃだらしないことしてるんですけど、たのしー・笑。

 日本の女性は「ちゃんと生きなきゃ(生活しなくちゃ)」という呪いに縛られてるらしいです。
 私は呪いに縛られているわけではなく、自分でも恐ろしくなるほどだらしない人間なので、自分で自分を律さなければならないという気持ちを持たざるを得ないだけなのですが。
 でもね、だらしない自分を許す心の余裕は忘れたらいけないなと感じます。
 今日は少しだけ執筆もしたから、だらしない自分を許す心の余裕があっただけかもしれませんけど・笑。

 なんだろ。
 すんごい散らかったテーブルの上でパテこぼしたのが、それを気にも留めずに今パソコン打って日記書いてるのが、心底幸せです。
 亡くなった大事な人のお香典返しのパンフレットを見て、別れの仕方なさや、生きていることの大切さを感じちゃったりしました(そんなものすら散らかしてました)。酔っ払ってるからかな?
 パテを送ってくれた親友にも、今この日記を読んで下さってる方にも、感謝です。
 感謝感謝。

二〇二〇年十二月二十七日
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