綿を麻と思えたとき、きっとあなたは解放される

文字数 1,874文字

 皆さんの一番嫌いな家事は何ですか?
 私は料理以外の家事は全部嫌いです。
 …………。
 そう言っちゃうと身も蓋もないので、今日はシーツ交換について語ります。

 疲れているときや気力が落ちているときに私が真っ先にサボる家事、それはシーツ交換です。もちろん疲れているときや気力が落ちているときこそ、清潔なシーツに横たわった方が元気が出ます。そんなことは分かってます。
 でも自堕落な人間の性として、どうせ私一人しか寝ないんだからシーツなんて不潔でも我慢すれば済むと考えちゃうんですね。

 そもそもシーツ交換の手前にあるシーツの洗濯がとてつもなく面倒くさい。洗濯そのものは洗濯機がやってくれますが、洗ったシーツを干すことの難易度の高さと言ったら!
 しかし、ある時から私はシーツを洗濯するというミッションを乗り越えたのです。
 どうやったのか?
 シーツを乾燥機にかけることにしたのですっ!
 …………。
 そこで我が耳を疑ってるあなた。聞こえなかったのならもう一度言います。

 シーツを乾燥機にかけることにしたのです。

 この荒技を編み出すまでには色々な経緯がありましたが、そこは割愛します。
 誰もが尋ねたくなることでしょう、「皺が寄らない?」と。
 もちろん皺くちゃになります。でも全く問題ありません。私は綿百パーセントのシーツに寝ていますが、麻だと思えば良いんです。綿の肌触りをした麻のシーツに寝てると思えば良いんです。(ドヤアッ!)
 皺は少ないが不潔なシーツに寝るより、皺くちゃだが清潔なスーツに寝た方が気持ちが良いに決まってます。どうせ寝るときは灯りを消すのですから、皺なんて見えませんし。(ドヤアッ×2)

 シーツの洗濯という最高の難題を乗り越えた私は、以前より小まめにシーツ交換をするようになりました。
 シーツ交換そのものも苦手とゆーか、面倒くさいままでしたが、布団袋を完全に裏返した状態で四隅の紐を結んでからひっくり返すというテクを覚えて以来、圧倒的に手際良くなりましたし。
 こうしてシーツ交換という最大の家事を乗り越えたかに見えた私でありましたが……。
 やはり、気力が落ちると真っ先にシーツ交換をサボってしまいます。
 だってさー、ボックスシーツ嵌めるとき時々縦横まちがえちゃうんだもん。この向きだ! と思って嵌め始めて、最後の一角に到達したときに長さが足りなかった時の悔しさ、そこから九十度回転させる面倒くささと言ったら!
 しかもさー、時々間違えたと思って九十度回転させたら、最初の向きが合ってて、もっかい回転し直さないといけないとかゆー羽目に陥ってさー、自分を罵る気持ちでいっぱいになるんだもん。
 シーツ交換きらいなんだもんー。

 …………。
 何故こんな話を始めたかというとですね、最近の私は近年まれにみる自堕落さでシーツ交換をサボっていたのです。
 私はシーツ交換をした後に布団乾燥機を掛けるので、シーツ交換という家事を一度こなすと、洗い立てのシーツとふかふかのお布団にくるまれて眠るという至福の夜が待っています。
 それをサボっているわけですから、不潔なシーツとぺしゃんこの布団にくるまれて寝る羽目に陥っていたわけです(羽目にと言っても自分でやってることですが)。
 ……今日は汚い話してすみません。でも続けます。
 ここのところ毎晩、明日こそはシーツを換えよう、仕事があるからシーツ交換まではやらないまでも、出勤中に布団乾燥機くらいかけようか、などと考えながら寝ていました。
 「ならとっととやれよ」と思ったそこのあなた。あなたは自堕落な人間というものを理解していません。やらないから自堕落なのですッ。
 ……ふざけるのは置いといて。
 変な拘りで、布団乾燥機だけ掛けるというのが、なんとなく出来ないんですね。シーツ交換してから布団乾燥機を掛けるという手順を踏みたいんです。で、布団はぺしゃんこのまま……哀しい……。
 そんな夜を幾夜も過ごしました。よよ……。

 さて、何故こんな日記書いてるかっていうと、さっき遂にシーツ交換を完遂したから・笑。
 誰もが当たり前にやってる家事かも知れませんが、今の私はミッション・コンプリートの達成感、自分を褒めたい気持ちでいっぱいです。その勢いで日記を書いてるとゆー・笑。
 あーっ、今後は二度とサボるまい、といつもの実りのない反省をして、シーツ交換を終えました。

 この日記を読んでる全ての人に伝えたい。特にシーツにアイロン掛けてる見上げた人物のあなた!(いる?)
 綿を麻と思えたら、あなたの心はきっと楽になりますヨ……。

二〇二一年五月四日
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